再生医療:そのメカニズムとメリットデメリット

タグ: , 2020/5/15

自家脂肪由来間葉系幹細胞について

 組織幹細胞の中の一つである間葉系幹細胞は、脂肪由来間葉系幹細胞、骨髄由来間葉系幹細胞、臍帯血由来間葉系幹細胞などに分類され、神経・脂肪・筋肉・骨・軟骨・他の内臓組織に分化(形態や機能を獲得)する能力を持ち、損傷した細胞や老化した細胞の修復が可能とされています。

 また、幹細胞からの分泌物は、周囲に拡散して近隣の細胞に直接作用することができ(パラクライン効果)、免疫系の制御、血管新生、抗炎症作用、抗酸化作用、抗アポトーシス作用、組織修復作用など様々な治療効果が期待できます。

 さらに、脂肪由来間葉系幹細胞は、他の組織由来の間葉系幹細胞と比較して、安全かつ簡便に用いることができ、増殖能が強く、増殖に伴う老化の影響や骨分化能の低下が少ないという優れた特徴を持っています。心筋梗塞や脳卒中の原因となる動脈硬化症、アルツハイマー病などの変性性脳神経疾患、変形性関節症、スポーツ外傷、慢性肺疾患、慢性腎疾患など、様々な疾患や障害に対して研究や治療が行われています。





-幹細胞療法の治療メカニズム-

 体の中に登用された幹細胞が治療効果を生むメカニズムには以下の3つの作用ポイントがあると考えられています。

1.パラクライン作用による様々な抗炎症・栄養因子などの放出
パラクライン作用とは細胞の分泌物が大循環を介し遠方の細胞に作用する(エンドクライン)ではなく,直接拡散などにより近隣の細胞に作用することを言います。

パラクライン作用の例:
●免疫系の制御
●血管新生
●抗炎症作用
●抗酸化作用
●抗アポトーシス作用
●組織修復作用

このパラクライン作用は間葉系幹細胞から分泌される様々なサイトカインや増殖因子が関与しています。

2.元々存在する組織細胞の活性化
投与された幹細胞は元来存在していた組織細胞を活性化させ傷ついた組織の修復や機能回復に必要な生理反応を誘発させることができると考えられています。

3.間葉系幹細胞からの修復対象となる組織細胞への分化パラクライン作用による様々な抗炎症・栄養因子などの放出
組織修復のために正常組織を活性化させるだけでなく、欠損ないしは変形した組織に幹細胞が分化して失われた構造物や機能を再生する効果が期待されます。

治療効果の点では、間葉系幹細胞の投与直後から症状の改善が惹起され、修復効果が数か月に及んで継続すると考えられています。

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