「そんなバカな!」中国勢2人を沈めたカットマンの衝撃 “従来の枠”を超えつつある橋本帆乃香は何がすごいのか
サービスだけではない。ラリー中のカット、中でも台上で行うツッツキもスイングが異様に速く、極めて凶暴な技に進化していた。本来、ツッツキやカットというのは、あくまでも相手に強打をさせない守備的技術あるいは“つなぎ技”にすぎない。橋本のそれも大枠ではその範疇なのだが、その中で可能な極限まで高めているために、中国選手でさえも、攻撃するどころかつなぎボールにさえミスが出てしまう。
運よく攻撃が入ってラリーになると、そこからが橋本の“本職”で、エンドレスの耐久ラリーが始まるのだから堪らない。結果、陳熠は第1ゲームの9-5、王芸迪は10-6までリードするのがやっとで、橋本の2段構え、3段構えの真綿で首を絞めるようなプレーに逆転を許した。
カットマンは大成するのに時間がかかると言われる。カットと攻撃の両方に膨大な練習が必要であり、いずれかに隙があれば活躍はできないからだ。現在橋本は28歳。2学年下の黄金世代と言われる、早田ひな、伊藤美誠、平野美宇らの活躍を横目で見ながら、黙々と技術を磨いてきた。その長い研鑽の末に今、大輪が咲こうとしている。6歳から22年もの歳月が必要だった誰にも真似のできない大輪が。
[文:伊藤条太(卓球コラムニスト)]
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