森保監督が率いるチームは、欧州でも着実に声価を高めている(C)Getty Images
価値ある重鎮の「言葉」
開幕が間近に迫る北中米ワールドカップ(W杯)で、僕らの日本代表は果たしてどこまで勝ち進められるのか。本稿では、ドイツ・メディアが語る「日本サッカーの現在地」をご紹介したい。
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ドイツ国内での日本に対する論調は、ここ数年で明確に変わってきている。
かつては「勤勉で組織的で技術レベルは高いが、フィジカルと個で限界があるチーム」と見られていた日本。だが、4年前のカタール大会のグループリーグでW杯優勝経験国のドイツとスペインを破ったのを皮切りに、その後も親善試合とはいえ、ブラジルやイングランドを撃破。いわゆる「列強国」を相次いで破った実績によって、その評価はどんどん上がってきている。
かくいうドイツは、今大会の欧州予選を1位で突破しているとはいえ、2024年の欧州選手権以降不安定な戦いが続いている。本来、得意としていた「トランジション強度」「プレッシング連動」「全員の戦術共有」「コンパクトな守備組織」が機能しない試合が散見しており、組織として大崩れせずに内容と結果の両方を得ている日本を「見習うべきだ」という論調も目立つ。
それこそ、2018年のロシア大会、そして先述のカタール大会と2大会連続でグループリーグ敗退となったドイツの識者の中には、日本を通して国内サッカーの現在地を見つめ始める動きすらある。専門誌『Kicker』で代表関連の情報を継続的に扱っているマティアス・デルシュ氏が、「日本は現代的なサッカーをする代表チームだ」と語っていたのが印象的だ。
W杯に5度も出場した元ドイツ代表のレジェンドであるローター・マテウス氏も、日本の「ポゼッション時の整理」「半単基準の整理」「プレー精度の高さ」を評価。「彼らは現代サッカーに必要なコレクティブプレーのクオリティを兼ね備えている」と分析していたのが興味深い。日本を手放しで称えた百戦錬磨の重鎮の言葉は、日本にとって価値あるものだと言えよう。
また、公共放送『ARD』のテレビレポーターとして1990年以来全てのドイツ代表戦に同行し、代表選手や監督のインタビューを担当してきたユルゲン・ベルゲナー氏は、「日本代表は間違いなくここ最近で最も成長した国の一つだ」と筆者に語ってくれた。
「イングランドとの親善試合も見たよ。やるべきプレーが整理されているからプレー判断素早く展開されている印象だ。守備はコンパクトで組織だって守れているし、プレッシャーを受けても回避できる。
ボールの出し手と受け手のイメージが共有できている点もいいね。スペースでもらうのか、裏抜けするのか。特にカイシュウ・サノはすごい。組織として守れて、かつ彼のように1人で広範囲をカバーしてボールを奪えて展開できる選手がいるのだから、ワールドカップは楽しみだね」