中国に圧勝→韓国に逆転負け 「過信」はなかったか? バスケ日本代表の“二つの顔”が示す世界への距離
韓国戦では渡邊ら主力への負担が大きかった(C)FIBA
2027年にカタールで開催されるFIBAワールドカップへの進出をかけたアジア予選のWindow3を日本は1勝1敗で終え、1次ラウンドでの戦績を4勝2敗とし首位通過を果たした。
もっとも、舌下に残る味は甘くなかった。というよりも、苦いものだったとしていい。
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昨年のアジアカップで銀メダリストで、長年アジアの強敵として日本の前に立ちはだかってきた中国を、相手のホームである遼寧省・瀋陽で92-73の大差で打ち破ってから3日後の7月6日。
日本は韓国・ソウル郊外の高陽で行われた同国代表との対戦で、81-79の敗戦を喫した。
勝負は下駄を履くまでわからない。とはいえ韓国は、昨シーズンのBリーグプレーオフでMVP(最優秀選手賞)を獲得した同国のエース、イ・ヒョンジュンをNBAサマーリーグへの挑戦で、またその他の主力選手数名を故障で欠いていた。そんな相手に対しての日本の敗戦は意外なものとして受け止められた。
中国への勝利で日本は、速攻や高確率の3Pシュートがよく決まり、アシストを27本記録するなどボールがよく動いた。ポイントガードの佐々木隆成(三遠ネオフェニックス)や川真田紘也(琉球ゴールデンキングス)などの控えメンバーも躍動し、これまで出場時間が長かった選手の負担を軽減した。いわば、理想的な形での快勝だった。
一転、1次ラウンド敗退の危機に置かれがむしゃらかつフィジカルに戦ってきた韓国戦は、日本にとって中国戦とはまったく様相の異なる試合となった。日本はターンオーバーから22もの失点を喫するなど、韓国のディフェンスに圧された。
「中国でああいう戦いができて、やっぱり自分たちも期待していましたし、自信もありましたし、その中でこういうゲームをしてしまった。自信は持って良い。ただそれが過信になったりというところが今日の試合では出てしまったのかなと思います」
韓国戦後、日本の桶谷大ヘッドコーチはこのように試合を振り返った。中国戦では10名が得点を記録するなど日本のチームとしてのバスケットボールが見事に展開されたが、苦しい内容となった韓国戦では日本の求める流れるようなゲームができず、ジョシュ・ホーキンソン(東京サンロッカーズ)や渡邊雄太(千葉ジェッツ)ら主力に出番が集中するなど、2試合の間で出来の濃淡はかなり色濃く出た。
2019年、2023年のワールドカップ、2021年、2024年のオリンピックとここ数年で立て続けに世界大会の舞台に立ち、しかし世界の強豪に跳ね返され散々、苦いアジアを口の中で味わう経験をしてきたベテランの選手たちにとって、いかなる言い訳も排除されるべきものだ。その意味では、韓国への敗戦は言語道断のものだったといえるかもしれない。
「僕としては国をかけて戦っている中で気の緩みっていう言葉はないです。勝ったとか負けたとかは関係なく、2戦(セットで)ではなく1戦、1戦でと考えています。もう中国戦は終わったもので、また一から韓国戦に向けて準備していますし(チームに)緩んだ雰囲気もないので、良い感じかなと思います」
韓国戦当日朝のシュート練習時、上述の世界大会のすべてに出場をしている馬場雄大はこのように、頼もしい言葉を口にしていた。実際の試合で馬場自身は、韓国の主力の1人、ヨ・ジュンソク(米シアトル大)を一定程度抑えるなど主に守備での貢献が光った。
だが、桶谷HCからは「過信」という表現があった。日本として総じて気の緩みを一切排除することはできていたのか。人の気持ちは可視化できないためわからないものの、プロの彼らといえど中国での快勝の後では、無意識の内にいわゆる気の緩みが選手たちの頭のどこかしらの隙間から染み入ってしまっていたとしてもおかしくなかった。
今の日本が志すのは「世界」だ。世界大会で強国を打ち破ることだ。貯金の目標としては来年のワールドカップでアジア勢の1位となり、2028年のロサンゼルスオリンピックへの切符を獲得し、そこで勝利を挙げることだ。
となれば、アジアの中でこのような戦いをしているようでは心もとない。そう考える者は少なくなさそうだ。
日本は2月のWindow2における中国戦で最大15点差をつけながら、逆転負けを喫した。今回の韓国戦でも同じく11点差リードを失い、敗れた。強い気持ちと目標を掲げるのは肝要なことなれど、アジアの中で日本が盟主を名乗れるほど安定した力を持ったかと言えば、こうした結果を鑑みても、早計であるとするのが妥当だろう。












