見えた「成長」と残った「宿題」 フィジーに雪辱を許したラグビー日本代表、勝敗を分けた“3つのポイント” 欧州3連戦は試金石に
フィジーにリベンジを許した日本代表。W杯へ向けて課題は多い(C)産経新聞社
10月24日にラグビー日本代表(世界ランク9位、以下ジャパン)とフィジー代表(同10位、以下フィジー)との間でテストマッチが行われ、ジャパンは28-34で敗れた。来月から再開されるネーションズチャンピオンシップに向け、勝利して弾みをつけたい一戦だったが、残念ながらフィジーにリベンジを許す結果となった。両代表チームの通算対戦成績はジャパンの5勝18敗。
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この試合、ジャパンのスタートは上々だった。開始5分に、前回の対戦でフィジー撃破の一因となった、ラインアウトからのモールを押し込んで先制トライ。ジャパンの得意な形での先制点でまず優位に立ったが、雪辱に燃えるフィジーは試合の流れをすぐさま引き戻した。
ジャパンのトライ直後のキックオフのボールをNo.8マキシ・ファウルアがノックフォワードしたことに乗じてトライラインまで迫り、前半10分にジャパンの「集団の強さ」に対抗するように「個々の強さ」を見せつけて密集近辺をしつこく突いてトライを奪い返し、同点に追いつく。フィジーはその5分後にも、同じように個々の強さでトライを奪い逆転に成功した。マキシのノックフォワードは、トライに結びついただけではなく、試合全体の流れの「底流」とでもいうべきものをフィジーに渡してしまったようだ。この後は常にフィジーが先手を取るという展開が続いて行った。
トライの取られ方もよくなかった。フィジー3本目のトライは、SO伊藤龍之介が相手ディフェンスに絡まれて、不用意に後方に送ったパスが誰にも渡らず転々とするところを拾われて奪われたし、4本目のトライはジャパンがフィジーのトライライン間際で攻め込みながら接点でのコンテストに負けてボールを奪われ、80mものロングゲインを許して奪われた。この2本はフィジーが最も得意とする得点パターンをもろに実現されてしまったもので、点数差以上のモメンタムをフィジーに与えてしまう結果となった。
ジャパンがフィジーのモメンタムを跳ね返し、連続失点することなく3度追いついて見せたことは評価できる。相手がミスを連発したことによって終始優勢だったラインアウトを起点に3つのトライを奪ったし、スクラムからのデザインされたプレーでLOワーナー・ディアンズがインゴールを陥れた鮮やかなトライもあった。トライを奪う形と、チャンスを着実に得点に結びつける勝負強さに進歩が見られた。しかし、最終盤に2本のPGを与えて突き放され、最後の死に物狂いの反撃も凌がれて万事休す。フィジーの勝負への執念をついに上回ることはできなかった。
直接の敗因はミスから3本トライを奪われたことだが、ミス以外にも敗戦に結びついた要素がいくつかあった。
一つはテリトリー、ボールポゼッションともに、前回の対戦ほどの優位性を保てなかったこと。前戦のポゼッション64:36に対し今回は52:48、テリトリーは同63:37に対し53:48と両者ともに20%以上の開きがあった前戦から、ほぼほぼ互角にまで持ち込まれた。効果的にゲームの流れを切って、セットプレーから優位に展開していた前戦に比べ、相手にボールを保持され、アンストラクチャーな場面で競わざるを得なかった。このことが最後の最後で追いつけなかったことにつながった。












