見えた「成長」と残った「宿題」 フィジーに雪辱を許したラグビー日本代表、勝敗を分けた“3つのポイント” 欧州3連戦は試金石に
フィジーに限らず、ランキング上位国との対戦においては、いかにアンストラクチャーな局面からの攻撃を凌ぐか、そしてそもそもアンストラクチャーな場面を作らせないかが、勝敗の分かれ目となる。比較的優位なセットプレーからの展開をどう多くしていくかが今後の大きな課題となる。
また、被ターンオーバーの数も19回を数え、チームのモメンタムを削いでいた。フィジー4本目のトライも、勝敗を分た最終盤の2本のPGも、いずれも自ら持ち込んだボールを奪われたことが原因だ。ボールキャリアーのボディーコントロール、フォロアーの素早さと、それを継続するフィットネスの向上はジャパンの生命線であるが、この試合ではまだまだこれらが不足していることを露呈してしまった。
エディー・ジョーンズHCが最大の課題と語るWTBについても、まだまだ理想の存在は出現していない。この日左WTBに起用されたイノケ・ブルアは、アタック時は力強い突進で度々ゲインしたものの、ディフェンス時は有効に機能せず、相手に大幅なゲインを許す場面が多かった。右WTB植田はハイボールの処理に不安が残るのと、アタックも物足りなかった。もっともこれは植田個人の責任とばかりは言えず、ライン攻撃のエキストラマンとして植田を有効に使うような攻撃を組み立てられなかったHB陣の責任も大きい。
進歩のほどはうかがえるものの、まだまだ「ハイパフォーマンスユニオン」として安定した存在ではないことも露呈してしまったフィジーとの2連戦が終わり、来月からはウェールズ、イングランド、スコットランドというフィジカル強く試合運びも巧みな相手との3連戦が控えている。最終目標となる来年のW杯に向け、ジャパンがどこまでの進化を見せられるか、期待と不安が交錯する11月となりそうだ。
[文:江良与一]
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