【医師が解説】肩こりの原因と効果的な対処法とは

タグ: , 2024/9/28

[文:オクノクリニック | モヤモヤ血管による慢性痛治療(https://okuno-y-clinic.com)]

Q:ここ何年かずっと肩が重く、張っていて痛いです。この症状は肩こりでしょうか?

いわゆる「肩こり」の可能性があります。

肩こりの症状としては「こり」のほかに「痛み」や「重さ」「張り」「硬さ」「つかまれている感じ」「鉄板が入っている感覚」などがあります。

またこれらに続く症状として「頭痛」「吐気」「集中力低下」「目の疲れ」「倦怠感」「腕や手のしびれ」なども肩こりから生じる症状です。

肩こりはありふれている病気ですが、仕事の効率を低下させ、やる気の低下もつながるため、症状が強い場合は放置することは望ましくありません。

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Q:肩こりの症状が出る場所を教えてください

肩こり症状の出る場所ですが、肩甲骨の周りの筋肉に症状を持つ人が多いです。

肩甲骨周囲に位置する僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋、棘下筋、小円筋といった筋肉に症状が起きます。またそこから派生して後頭部や首、顔面の筋肉にも症状が出ることが多々あります。

Q:かれこれ5年以上肩こりに苦しんでいます。何か重大な病気になっているという可能性はありますか?

肩こり症状のように見えて重大な病気が隠れている、というような場合、まず挙げられるのは「脊柱管狭窄症」という病気です。この場合、肩のコリだけでなく、手に力が入らない、シャツのボタンがうまくかけられない、階段を降りるのが怖い、などの症状が伴います。これらの症状がある場合は調べてもらったほうが良いです。

そのほかに、「化膿性脊椎炎」という病気もあります。その場合は微熱が続いていたり、血液検査で炎症の強さを表す数字が高くなったりするため、血液検査でわかります。

もちろん、実際に診察をしないと判断しかねますので、上記のような重大な病気が隠れていることの心配があるようでしたら、総合病院などの内科や整形外科を受診してみることをお勧めします。

Q:肩こりのため毎週マッサージを受けています。その日は良いのですが、翌日には元に戻ってしまいます。マッサージは肩こりに有効ですか?

マッサージを受けるとその場では肩こりが良くなったように感じますが、翌日になるとまた元に戻ることがほとんどです。あるいは以前より強い症状が出ることすらあります(「もみ返し」などと呼ばれている)。

なぜかというと、マッサージは肩こりの原因を治療しているのではなく、「対症療法」であるからです。いったんその場では改善したように感じるのは「オフセット鎮痛」と呼ばれる現象が起きるからです。

このような理由からマッサージで肩こりは治癒するわけではありませんので、改善しないという人は、専門的な医療機関の受診を検討してください。

Q:肩こりで苦しんでいます。肩こりの原因は何ですか?

肩こりの原因は、肩甲骨の周りの筋肉が「腫れている」ことだと様々な研究から指摘されています。筋肉は密閉された袋の中にある組織で、筋上膜という包みの中に筋肉の組織があります。密閉された袋の中の内容物が腫れると、人間の身体は「こっている」として感じます。

ではなぜ腫れるのか?腫れる原因は一言でいうと「入り込んでくる液体の量が、出ていく液体の量を上回っている」と説明できます。

肩こりの患者さんでは、そうでない方に比べて、筋肉に異常な流入血管が増えていて、入り込んでくる血液が多いことがわかってきました。このために「腫れ」が生じていると指摘されています。

さらにこの異常な血管には神経も一緒になって増えており、この神経からも肩こりの症状が出ているという説も提唱され、これらの異常な血管を標的とした新しい治療も提供されています。

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