デービス戦は「愚か」 井上尚弥との“無敗対決説”を米メディアが一蹴「全てを台無しにする。イノウエにとって筋が通らない」
互いに無敗を誇る井上(左)とデービス(右)。この両雄の対決を求める声に「待った」がかかった。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images
26戦無敗(23KO)と文字通り敵なしの強さを誇るボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、昨年に史上2人目となる2階級での4団体統一を達成。その名はより大きく世界に轟いた。
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日進月歩の進化が続くなか、一部のボクシングファンやメディアの間では思わぬ議論が交わされた。それは上位階級の猛者との対決説である。とりわけSNSでは、現WBA世界ライト級レギュラー王者ガーボンタ・デービス(米国)とのマッチメイクは物議を醸すほどの話題となった。
無論、両者の対決は非現実的だ。デービスの上背は井上(165センチ)とほぼ同じ166センチながら、階級はスーパーバンタム級からは3つも上。力やスピードはもはや危険な領域ですらある。
それでもパウンド・フォー・パウンドでもトップ争いを繰り広げるほどの井上を誰が倒すのかという議論は尽きない。過剰なファンは今もなおデービスとの対戦を真剣に語ってすらいる。
それでも階級が大きく異なる上位ランカーとのメガマッチ要求は「危険な思想」としか言えない。それはデービスの母国でも言及されている。米ボクシング専門サイト『Boxingnews24』は、井上が24年にスーパーバンタム級で3試合を実施する意向であることを伝えたうえで「イノウエは大金よりもレガシーを選択する男だ」と絶賛。デービス戦を促す風潮に「間違いなく給料は弾むだろうが、危険でしかなく、想像するのは愚かだ」とクギを刺した。