感動の一方で、分断された世界を象徴し、強調してしまった北京五輪 地元の「成功」の声も世界からは嘲笑のネタでしかなく

タグ: , , , , , 2022/2/22

※画像はイメージです


 そして世界中を呆れ返させた女子フィギュアスケートでのロシア、カミラ・ワリエワのドーピング疑惑。フリースタイル決勝でのロシアチームの演技や、その後のやり取りなどの醜聞を見聞きするだけでクロと思わざるを得ない。そもそも結果は暫定とするという異例の前提付きで、ワリエワの出場が許可されたこと自体が問題。結果的に4位に終わったワリエワは「これで表彰式が行えるでしょ」と話したというが、彼女自身も複雑な構造下での被害者に映る。

 開催国・中国とロシア。異例の暫定出場可のGOサインは、旧社会主義国家同士の結び付きによる癒着と、世界の多くが思わざるを得なかった。そもそもロシアは2014年ソチ五輪での国家ぐるみのドーピング不正により、ナショナルチームとしての参戦は認められていない。個人個人がロシアオリンピック委員会(ROC)からの出場という形を取ったが、それでもチート行為が続くのであれば同国籍選手を全員排除するしか道はない。今後は亡命選手にしか出場の手立てを与えない選択肢も出てくるであろう。

 開催国の中国や、国際オリンピック委員会は大会の成功を声高に叫ぶ。世界の多くの人には、醜く滑稽な雑音としか響かないだろう。分断が問題視されている世界の中で、過去のどの大会よりもその分断が強調された結果となってしまったのは皮肉でしかない。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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