【中日】「42」の後継者・ブライト健太が決勝打 ブランコ氏の遺志を受け継ぐ竜ナイン

ブライト健太はブランコさんの背番号「42」を受け継いでいる(C)産経新聞社
多くのプロ野球ファンが言葉を失ったに違いない。
現地時間4月8日、トニ・ブランコが故郷・ドミニカ共和国でナイトクラブを訪れ、天井崩落事故に巻き込まれ亡くなった。44歳、非業の死だった。
2009年、当時の森繁和コーチに見出され中日に入団すると、来日初年度に本塁打王&打点王の二冠。翌年からは主軸の一人として球団初のリーグ連覇に貢献した。
13年にDeNAへ移ると、不動の4番として大活躍。移籍1年目に首位打者&打点王、キャリアハイの41本塁打をマーク。15〜16年にはオリックスに在籍した。
NPBでの8シーズンで通算181本塁打、OPS.867と自慢のパワーを遺憾なく発揮。「記録にも記憶にも残る」助っ人スラッガーだった。
■素顔は心優しいナイスガイ
188センチ102キロの堂々たる体躯に、丸太のような腕でバットを扱う姿に「おっかない」印象を抱く人もいたかもしれない。でも、素顔は心優しく、真摯な姿勢で野球に取り組んだナイスガイだった。
それでいて、活躍するとすぐに油断して体重を増やし、ダイエットに励むという繰り返し。いい意味でツッコミどころのある選手でもあった。
そんな人柄だから、ブランコは選手にもファンにも愛された。亡くなった後の追悼コメントの数々を見てもお分かりだろう。
現地報道によると、ブランコはエステバン・ヘルマン(元西武・オリックス)と共にライブを楽しんでいたところ、会場の屋根崩落に遭遇。トイレから戻ってきたヘルマンを突き飛ばし、自らが「人柱」となる形でヘルマンを助けたとされる。最後までナイスガイが過ぎる。