覚醒した和製大砲 村上宗隆のMLB挑戦は「可能性1%」から始まった Wソックス幹部が証言した契約の舞台裏「すべてが未知数だった」
「現実的に考えて、彼の経歴や才能、そして、我々が再建途上にあると感じていた育成システムといった要素もあいまって、彼がサウスサイド(ホワイトソックスの拠点)に来たいと望むかどうかは、すべて未知数だった」
しかし、ホワイトソックスにおいて“追い風”となったのは、先述した村上に対する下馬評だった。NPBでの過去2シーズンにおける空振り率(36%)の高さが影響し、「確実性」を不安視したMLB複数球団のスカウトたちの評価が伸び悩み、市場の動きも停滞した。
そうした中でもホワイトソックスは「NPBはアメリカとは違う。彼のような選手は他にいない」と本腰を入れ、獲得に向けた話し合いを重ねた。結果、一大ブレイクを巻き起こす和製大砲との2年総額3400万ドル(約53億円)の契約は誕生した。
時間をかけながら契約に奔走したケラー氏は、当時を次のように振り返っている。
「周りから愛される人望があって、常に身体のケアを怠らず、野球というスポーツの浮き沈みを乗り越えるだけの精神力と資質を持ち、さらに卓越した才能を兼ね備えている選手を見ると、かなりワクワクする。それがムラカミだった。
私は日本で彼をスカウトしていた時に、クリス(・ゲッツGM)に『ここには、とてつもないパワーを持ち、良い打席を重ねながら、四球も選べる選手がいる』と自信を持って言ったよ。もちろん、三振もあるけど、リスクを冒すだけの価値はあったんだ」
失敗を恐れず、投資をしたホワイトソックス。村上のここまでの成功を生んだのは、古豪球団の熱心なアピールがあったからに違いない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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