名手アフマダリエフも支配した「次元の違い」 元世界王者の米解説が分析した井上尚弥の優位性 中谷潤人戦に高まる関心「イノウエはパワーだけじゃない」
記者会見で向き合う井上と中谷。二人のマッチアップには様々な意見が寄せられている(C)Getty Images
元世界王者が見た中谷の「課題」とは?
米『ProBox TV』シリーズの解説者で、元WBO世界スーパーライト級王者のクリス・アルジェリ氏は、米ボクシング専門YouTubeチャンネル『Inside Boxing』で「あのMJだって、“イノウエキラー”だと言われていた。『イノウエに勝つ男』とかね。本人も『あいつを倒すのは俺だ』と強気に言い続けていた。でも、実際に勝ったのはイノウエだった。しかも、ほぼ完封に近い内容だ」と、昨年9月のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)戦を回想した。
確かに圧倒的な地力の差を見せつけた一戦だった。当時、「判定勝ちでもいい」と語った井上は、序盤から軽快かつ巧妙なヒット&アウェイを継続し、アフマダリエフを窮地に追い込みながら大差の判定勝ちで防衛した。
アルジェリ氏は、この攻守両面での成熟した戦いが完成したことで、中谷も苦戦を強いられると予測した。
「イノウエが持っているのはパワーだけじゃない。次元の違う技術もあるんだ。だからこそ、俺たちは今まさにイノウエの偉大さを生で見ていると声を大にして言うんだ」
さらに「イノウエは負けることを恐れてない。常にリスクを取って、最も厳しい戦いを選び続けている。彼は間違いなく歴代屈指の偉大なファイターだ」と熱弁を振るったアルジェリ氏は、「俺もナカタニがイノウエに勝つ可能性はあると思っていた。勝っても不思議はないと考えていたんだ」と吐露。続けざまに、中谷の抱える課題を指摘している。
「ジャブのバリエーションの少なさ、それとジャブを“武器”として使えていない点が気になる。彼のジャブは強打を隠すためのものに過ぎない。それじゃイノウエには通用しない。相手の動きを止めるジャブがないとね。イノウエのような選手に勝つには、すべてが揃ってないといけない」
アルジェリ氏が熱心に論じたように、さまざまな予測は飛び交っている。それは逆に言えば、この試合に向けた興味の高さの表れでもあると言えよう。
果たして、ゴールデンウイークのど真ん中に開催される珠玉の一戦は、いかなる決着を見るのか。まさに世界が「伝説と呼ばれる日」を心待ちにしている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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