中谷潤人が“番狂わせ”を起こすには何が必要か? “モンスター”井上尚弥との決戦で求められる「2つのハードル」【現地発】

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スーパーバンタム級での2戦目で「世界最強」と言われる井上とのメガマッチを迎える中谷(C)Lemino/SECOND CAREER/NAOKI FUKUDA

序盤数ラウンドの両者の動きから趨勢は見えてくる

“ルディさん”という呼称で日本でも知られた存在になったヘルナンデス氏は冗談めかしていたが、パンチの効果は本当に分岐点になりかねない。右ジャブを巧みに使い、左をヒットするのが第1関門。そこで井上をKOできないまでも、戦力を少なからず損なわせるというハードルをクリアできれば、中谷の勝利はついに見えてくる。

 昨年12月にサウジアラビアで行われた前戦。スーパーバンタム級で初めてのリングに立った中谷はセバスチャン・ヘルナンデス(メキシコ)に判定勝ちを飾った。序盤はほぼ一方的に打ちまくったものの、ストップに持ち込めず、後半は打たれ強いメキシカンの猛反撃を許したのはご存じの通り。ただ、ヘルナンデスが単に異常なほどのタフガイだったかもしれず、この1戦だけで中谷の“スーパーバンタム級でのパワー”を推し量るのは難しい。おそらくは井上戦のどこかで、その答えが見えてくるのかもしれない。

 ジャブの使い方にしろ、新階級でのパワーにしろ、まだ証明されていないものを「現役最強」の選手との戦いで示さなければいけないのだから大変な作業である。よって、井上優位の声が多いのは理解できる。

 とはいえ、中谷は、これまで誰もなしえなかった“モンスター撃破”を可能にするツールを持った数少ないボクサーではある。繰り返しになるが、“ビッグバン”のジャブの使い方は特に重要な意味を持つ。そのクオリティ、向上の度合いは試合開始のゴングから早い段階でわかるだけに、おそらくは序盤数ラウンドの両者の動きからその後の趨勢が見えてくるのではないだろうか。

[取材・文:杉浦大介]

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