井上尚弥に付け入る隙はあるのか? 中谷潤人と二人三脚で歩んできた名トレーナーに訊いた“可能性”「誰も永遠に1位ではいられない」【独占】
前戦ではセバスチャン・ヘルナンデスに打ち込まれ、苦戦を強いられた中谷。その戦いぶりもあって井上戦に向けた下馬評は高くはない(C)Getty Images
中谷の「左」が鍵と見る声をヘルナンデス氏はどう捉えているのか
――井上が過去に左フックでダウンを喫していることから、中谷の左が鍵と見る声も多いですが、その点についてどう思いますか?
RH:1発のパンチだけを見ているわけじゃない。動きや打ち方を見ている。右でも左でも当たる時は当たるし、結局は倒されても立ち上がって勝つこともある。それがボクシングだ。だから、過去にダウンしているから有利になるという考えはしない。歴史を見ても、偉大な選手は皆一度は倒され、それでも勝ってきた。ラリー・ホームズ(米国/元世界ヘビー級王者)も、アレクシス・アルゲリョ(ニカラグア/世界3階級制覇王者)もそうだ。だからそれを有利とは見ていない。
――左を生かすため、中谷の右ジャブの使い方が重要という見方についてはどうでしょう?
RH:それは聞こえはいい。“ジャブを使う”ってな。でも、それが通用しなかったらどうする? タイムを取って作戦を練り直すのか? (試合中に)そんなことはできない。実際はお互いにやり合う中で状況が変わっていくものだ。
――ラスベガスのオッズで中谷が大差のアンダードッグとされていることについて驚きはありましたか?
RH:4対1くらいだと聞いているし、それは理解できる。多くの人が前戦のパフォーマンスでジュントを判断している。ただ、(前戦で対戦した)セバスチャン・ヘルナンデス(メキシコ)は非常にいい選手で、もともとスーパーバンタムのナチュラルな体格を持っていて、将来的にはライト級か、ジュニアウェルター級まで行くような選手だ。
ジュントも、そしてイノウエも、もともとは108ポンド(ライトフライ級)出身で、小さいところから上がってきた。ボクシングではサイズは重要だ。イノウエも、ジュントがあの厳しい試合を乗り越えたことは分かっているはずだ。もし、イノウエがヘルナンデス戦と同じだと思っているなら、それは完全な勘違いだ。
――それでは前戦の苦戦の中で得た収穫とは?
RH:ジュントはプレッシャーの中でも崩れないということを示した。どれだけ厳しくても最後まで戦い抜くことも示してくれた。








