大谷翔平が「野球小僧」に戻った時、何かが起きる 勝利を渇望する偉才のドジャース移籍が楽しみすぎる理由

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ドジャース移籍で今オフの話題を席巻している大谷。彼が名門入りを決めた理由は実にシンプルなものだった。(C)Getty Images

 昨年12月14日にロサンゼルスで行われた入団会見でドジャース移籍を決めた大谷翔平は、名門の一員となる決断を下した主因を語った。

「野球選手としてあとどれぐらいできるかっていうのは正直誰もわからないですし、勝つことっていうのが僕にとって今1番大事なことかなと思います」

【動画】敵将ピアッツァも脱帽! 大谷翔平がWBCで魅せたバントヒット





 10年総額7億ドル(約1015億円)というエポックメーキングな契約により、文字通り世界が言動に熱視線を送っていた。そうしたなかでも二刀流スターは驕る素振りは見せず、一切ブレなかった。

 筆者からしても「当然」と言える理由だった。なぜなら、ここ数年の大谷は、とりわけ「勝つ」ことに飢えていたように見えたからだ。それは昨春に列島に熱狂を提供したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で顕著に表れていた。

「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」

 アメリカ代表との決勝戦を前にしたロッカールームで、緊張感に包まれていたメンバーに放った大谷の言葉は、日本では社会一般にも反響を与え、一大フィーバーを巻き起こした。数多の逆境をはねのけてきた偉才のメッセージだけに、力強く、そして何よりも人々の関心を集めるだけの引力があった。

 ただ、大谷の「勝利への渇望」をより色濃く表した言葉は別にあったと感じている。それは徹底マークを敷かれた攻防戦を制した直後に、サラっと漏れたセリフだった。

 3月16日に東京ドームで行なわれたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のイタリア代表戦。負けたら終わりのノックアウトラウンドで日本代表は9-3で快勝したのだが、「3番・DH兼投手」で先発した背番号16が勝機を手繰り寄せた。

 投げては、MAX164キロを記録した4シームに、大きな横曲がりを見せるスイーパーとスプリットを駆使し、イタリア打線を翻弄。4回2/3(71球)2失点で降板したものの、5奪三振をマークした。

 そして、この試合で彼が何よりも球場をアッと言わせたのは、3回裏1死一塁の場面で飛び出したバントヒットだった。

 無死一、二塁の局面での第1打席で痛烈なセンター方向への強打を、データに裏打ちされた守備シフトでショートライナーに仕留めていたイタリア守備陣は、この打席でも大谷の強打を警戒。ライト寄りシフトを敷いた。当然、三塁側はがら空き。この“隙”を大谷は見逃さなかった。

 相手投手の投球と同時にスッとバットを寝かせるとバントを敢行。敵将マイク・ピアッツァが「本当に驚いたし、彼をアウトにするのは難しい」と漏らしたように、まさかの“奇襲”に相手ナインは意表を突かれた。

 大谷がバントヒットで1死一、三塁という絶好機を演出すると、日本は直後の4番・吉田正尚の内野ゴロの間に1点を先制した。5回裏にタイムリーツーベースを放っていた村上宗隆(ヤクルト)は、「今日に懸ける想いは伝わってきました。大谷さんの作ってくれた勢いに乗っていけました」と振り返っている。貪欲な闘争心はチームに伝染していた。

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