「アデサニヤが新たに覚醒する瞬間が見られるかも知れない」髙阪剛が『UFC248』の展望を語る

タグ: , , 2020/3/2

 日本時間の3月8日(日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのT-Mobileアリーナで『UFC248』が開催される。

(写真左より)イズラエル・アデサニヤ、ヨエル・ロメロ、ジャン・ウェイリー、ヨアンナ・イェンドジェイチェク/Getty Images

メインイベントは無敗の王者イズラエル・アデサニヤが、シドニー五輪レスリング銀メダリストのヨエル・ロメロを迎え撃つミドル級タイトルマッチ。さらに中国人初のUFC王者ジャン・ウェイリーvs元王者ヨアナ・イェンジェイチックの女子ストロー級タイトルマッチも組まれている。

この2試合の見どころを、「世界のTK」こと髙阪剛に語ってもらった。

・今すぐ読みたい→
堀口恭司&SB松田宣浩スペシャル対談【前編】、2人に共通する意外な弱点とは?(https://cocokara-next.com/athlete_celeb/kyojihoriguchi-serialization-50/)





イズラエル・アデサニヤ/Getty Images

——『UFC248』のメインは、前回ロバート・ウィテカーを破りミドル級統一王者となったイズライル・アデサニヤが、ヨエル・ロメロを挑戦者に迎える防衛戦となりましたが、この試合、髙阪さんはどう見ていますか?
「アデサニヤにとっては、すごくリスキーなカードだと思いますね。もともと今回の挑戦者は、昨年8月の『UFC241』でロメロに判定勝ちした、パウロ・コスタの予定でしたよね?」

――それが濃厚だったのですが、コスタはケガで夏頃まで復帰できないということで、そのコスタ戦の判定で「ロメロが勝っていた」という声も多かったヨエル・ロメロが挑戦することになりました。
「しかもロメロとやるというのは、アデサニヤ本人が希望したと言われていますよね。であるならば、これは深読みしすぎかもしれないですけど、ロメロと戦うことで、アデサニヤは自分の新たな動きや、未知のものを引き出そうとしているのかもしれません」

——自分を試してみるというか。底力を引き出そうとしているんじゃないか、と。
「そんな気もするんですよね。普通で考えたら、やる必要がない相手じゃないですか。ロメロは戦績上では連敗中ですよね?それでありながら、その爆発力やフィジカルの強さは誰もが認める存在で、負ける可能性も含んでいる。そういう相手をあえて選んだのなら、アデサニヤの『もっともっと成長したい』という意識の表れなんじゃないかと思うんです」

――それぐらいロメロは難敵でもあるわけですね。
「ロメロって、まだスタミナ十分な1~2ラウンドは飛び抜けたフィジカルで、まさに『モンスター』のような力を出すじゃないですか。それが後半のラウンドになってくると、わかりやすくスタミナが切れてくる。ただ、これは『UFCトップファイターあるある』でもあるんですけど、スタミナが切れたように見えながら突然復活して、ものすごい攻撃を仕掛けてきたりするんですよ」

ヨエル・ロメロ/Getty Images


――ウィテカー戦では後半の3ラウンドと5ラウンドに王者をKO寸前まで追い詰めました。
「だから相手からすると、ロメロがもう見るからに疲れていて『いける!』と思った瞬間、ものすごい打撃が飛んできたりするので、まったく気が抜けないんですよ。アデサニヤがその辺りをどのくらい客観視できているのかが、この試合のポイントのひとつじゃないかと思います」

――後半、突然爆発するロメロにどう対応するのかがポイントだと。
「簡単に言うと、動きが悪くなったときのロメロって顔面がら空きなので、対戦相手にも隙が生まれやすいんです。そこで突然速い打撃が飛んできたり、予想できない動きをしてくるので、アデサニヤがどこまでそれを認識しているのか。ロメロみたいなタイプとはやったことがないはずなので、そこが気になりますね」

――でも、「予想できない動きをする」っていうのは、アデサニヤもまさにそうです。
「アデサニヤの場合は、もちろん試合の組み立てもしっかりしていますが、その場のアドリブで、体の反応を使った攻撃ができている状態だと思うんです。例えば、ウィテカーとの王座統一戦では、バランスを崩した状態から強い打撃が打てたりとか、自分が考えていたコンビネーションではない動きで、相手を追い込んだりしていたと思うんです。そう考えると、ロメロが予測不能の動きをしてきたとき、アデサニヤもまたそれに反応して、これまで見せたことがない動きをしてくれるんじゃないか。そういう新たに覚醒する瞬間が見られるかも知れないというのが、個人的な楽しみでもありますね」

——アデサニヤがバランスを崩しながらも、すごいフックやハイキックが打てるっていうのは、やはり体幹の強さからくるものなのでしょうか?
「それもあると思います。なおかつ軸がブレた状態からでも強い打撃が打てるということは、普通は人の体を支える支柱っていうのは1カ所か、多くて2カ所なのですが、アデサニヤの場合はもしかしたら、3~4カ所ぐらいあるのかもしれませんね」

――そんなに特異な体質なんですか(笑)!?
「支柱を中心にしないと、あんな強い打撃は打てないですからね。だから通常の人間では作れない場所に柱が作れるんじゃないか、そんなふうに思ってしまうくらい、アデサニヤのバランスは飛び抜けていますね。だから、スタミナが切れた後に突然強い攻撃ができる、不思議なスタミナを持ったロメロと、常人では考えられない動きができるアデサニヤがやることで、これまで見たことがないMMAが見られるんじゃないかと、自分は期待しています」

「アスリート/セレブ」新着記事

『CoCoKARAnext』編集スタッフ・ライターを募集

CoCoKARA next オンラインショッピング

PICK UP ユメロン黒川:寝姿勢改善パッド「nobiraku」 寝ている間が伸びる時間

腰が気になる方!腰まわりの予防に、試してみませんか? 寝ている間が、ととのう時間。 nobirakuはパフォーマンス向上の為の“大人のお昼寝”にも最適!

商品を見る CoCoKARAnext
オンラインショップ

おすすめコラム