どん底だった借金15からの劇的V字回復 “新人監督”の下で推し進められた改革の裏側 苦悩の期間を支えた側近たちが証言した「軌跡」とは?【DeNA】
怒涛の巻き返しでAクラス入りを叶えた相川監督が率いるDeNA。その強さの源泉とは――(C)産経新聞社
苦心の上で掴んだチームとしての強さ
今季のDeNA最大15まで膨らんだ借金を完済し、最終的には貯金2でレギュラーシーズンを完走した。まさしく目を見張るような怒涛の追い上げを見せたチームに対し、相川亮二監督は「これは勢いではないと思っている」と強い言葉で手応えを口にした。
「1年間、戦ってきた中で、選手たちがこういう結果を、粘りながら勝ちを多く積み重ねるようなチームになっているのは事実。チーム全体でやるべきこと、目指すこと、状況判断というのができてきている」
苦境の中で勝ち星を積み重ねられるチームへと変貌を遂げた背景には、どのような土台と意識改革があったのか。指揮官を支えた首脳陣たちの言葉からDeNAが「勢いだけではない」とする真意と変革の裏側に迫る。
借金15を抱えた苦しい時期について、相川監督は当時の状況を次のように振り返っている。
「もう負けられないっていうのは今に始まったことじゃない。借金が15まで行った時から『もうこれ以上は』と言いながら、今に至っている。選手たちは『1試合も落とせない』という気持ちの中で戦ってくれてますし、ブルペンの方も登板が多くなった中でずっと戦ってきました」
苦心の上で掴んだチームとしての強さだった。指揮官は、その手応えも明かす。
「一番しんどい時期に力を発揮してくれるというのは、やっぱりチームとして望んでたことであり、目指していたこと。そういう結果を選手たちがとにかく掴んでくれている」
この相川監督の言葉を裏付けるように、靏岡賢二郎ベンチコーチも「勝ちパターン」の確立とチームの構造変化を真っ先に挙げる。
「ピッチャーが抑えて守備でリズムを作り、攻撃に繋げるという1つのパターンがかなり構築できたのが大きい。ただ大味なゲームで勝つだけじゃなくて、ちゃんとやるべきことをしっかりやって、その中で点も入って、僅差のゲームだったり、ロースコアの試合も勝てるようになってという積み上げがありました」
シーズン後半、救援陣の安定、そしてショーン・レイノルズをクローザーに抜擢した采配に加え、ロングリリーフやビハインドからの起用で力を伸ばした若手投手の台頭も大きかった。靏岡コーチは、こうも分析する。
「最初はビハインドから始まったピッチャーもロングから入って、最終的には僅差で投げられる力がついた。それをパフォーマンスとして発揮できるようになったのが一番デカい。新しいピッチャーがどんどんそこのピースにはまってくれた」
若松尚輝、そして岩田将貴らの名前を挙げながら、若手投手の成長に目を細める靏岡コーチは、野手陣においても、状況に応じた愚直な準備と役割分担が機能していたと語る。
「宮下(朝陽)の貢献度もかなり大きかった。怪我はしちゃいましたけど、相手ピッチャーに応じて林(琢真)と切磋琢磨し、自分たちの力を発揮してくれた。キャッチャーのところも松尾(汐恩)を軸に古市(尊)が頑張って、その合間で戸柱(恭孝)がしっかりと準備して結果を残してくれました」













