スワローズの“ヤク進”を陰で支える――松元ユウイチヘッドコーチが語る自身の役割と驚きのエピソード【しのの応燕レポート】
松元コーチが驚きのエピソードも語ってくれた(C)TsutomuBEPPU/CoCoKARAnext
池山監督に確認したところ「『なんで?』」と返され…
豊富な経験をされてきて、常にあらゆるところに気を配るユウイチヘッド。選手だけでなく、池山監督の表情や仕草にも目を向けていて、「監督も人間だから、下を向いているときには、(選手を)信じましょうね~(笑)」と、声をかけるそうです。
まさに明るい雰囲気のチームを陰で支えているのが、ユウイチヘッドだと感じました。
そんなユウイチヘッドに、今までで一番忘れられない出来事を尋ねると、今季のこんなエピソードを話してくれました。
それは4月18日の巨人戦(神宮)。2-3と1点を追う9回、巨人の守護神ライデル・マルティネス投手から先頭の代打・田中陽翔選手が二塁打を打って無死二塁、続く打席は丸山和郁選手という場面です。
ここでユウイチヘッドは「バントしますか?」と、池山監督に確認したところ「『なんで?』」と返され、意外な返答に驚いたそうです。
このチャンスで丸山選手が適時二塁打を放って、ついに3-3の同点とすると、無死二塁で今度はサヨナラのチャンスを迎えます。
打席には武岡龍世選手が立ち、「ここはバントしますよね?」と、再び池山監督に尋ねると「『なんで?』」と…。1点で終わりですよ、と言っても『わかってるよ、打ちます』って(笑)。100人に聞いたら90人以上はバントだと思う場面なのに」と、笑いながら振り返っていました。
「選手たちも感じたんじゃないですかね。武岡は結果的に三振でしたが、それをカバーするために、(二塁走者の丸山が)なんとか三塁に行ってやろうという感じはすごくしました。振り返ってみるとこういう野球もあるんだなと。一人ひとりが、誰かミスしたら次でカバーするとか、そういったところが今年はできていますね」
結果、武岡選手は空振り三振に倒れましたが、丸山選手が三盗を決め、1死三塁となって長岡秀樹選手が中堅への適時打を放ち、サヨナラ勝ちを収めました。
こうした劇的な勝利もあり、上位争いを演じているスワローズですが、前半戦も残り少なくなってきました。後半戦に向けて、ユウイチヘッドは「結果はあまり考えずに、これまでやってきたことを継続できるかどうか。結果は後からついてくるので、ぶれずに戦っていきたい」と、力強く語ってくれました。
チーム全員に愛をもって接し、気さくで明るいお人柄の松元ユウイチヘッドコーチに心を打たれました。今年の“ヤク進”の秘密はここにもあったと、この目で、この耳で、確かめることができました。
[文:平野詩乃]
【著者プロフィール】
平野詩乃(ひらの・しの)/2001年6月16日生まれ25歳。173㎝。神奈川県出身。立教大学卒。教員免許取得。リポーター、野球イベントを中心に活動中。東京ヤクルトスワローズファン歴20年以上。趣味は神宮球場観戦。レギュラー/tvk「LOVEかわさき」プレゼンター(毎週土曜日朝9時~)、グリーンチャンネル「パドックキャスター」
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