高血圧の薬は、長生きのサプリである

タグ: , 2024/4/8

[文:女性医療クリニックLUNA(http://www.luna-clinic.jp/)]

 私は、高血圧である。発症は42歳。

両親ともに高血圧なので、いずれは高血圧になるだろうと予測はしていたが、まさかこんなに早く血圧があがるとは思わなかった。

急に頭痛や、肩こりに悩まされるようになり、まさかと思って測ったら血圧が150/100になっていた。ついその半年前までは、最高血圧が100以下で低血圧ぎみだったのに、突然高血圧を発症したのである。当時飲んでいた低容量ピルの副作用かと思い、中止にしてみたが、無駄であった。

私の血圧制御遺伝子は、42歳にして失活してしまったのだ。40歳になったら生活習慣病が増えるということは知識では分かっていたが、現実に自分の身に降りかかると少しショックだったことを覚えている。この時から私の降圧剤内服人生が始まった。その後私の血圧は、常に正常を維持されている。

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だいたい自分は、癌家系ではないという人がいるが、これはかなりあてにならない。私の父も、自分のことをそういっていたが、65歳で胃がんになった。そして娘は43歳で乳癌になった。

単にうちの先祖は、ガンになる前にみんな脳梗塞で死んでいただけのことだったのだ。(ちなみに父は、私の勧めでで50歳前半から高血圧の治療を開始した。)

 遺伝的に高血圧症のリスクを持っている人は、40歳くらいから血圧が高くなる。治療を受けなければ20~30年で、動脈硬化が完成し、脳梗塞や心筋梗塞で死んでしまう。私は昭和38年生まれだが、私の祖父は、そのころ数回の脳梗塞発作の後、すでに寝たきりで、初孫である私は、彼の寝たきりのベッドの上でよくオシッコをもらして、祖父に喜ばれていたようだ。

そう昭和30年代くらいまでは、日本人は癌になる前に、みんな血管障害(卒中という)で死んでいたのである。その後1日1回飲むだけで、切れよく血圧を下げる薬が、たくさん開発されたおかげで、遺伝的に高血圧症のリスクがある人の寿命は急速に伸びた。

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