大谷翔平はなぜ水原騒動の“標的”になったのか 米紙が独自見解「ミズハラを盲目的に信頼し、金銭に無頓着」
水原容疑者に全幅の信頼を寄せていた大谷。二人の絆は世間も「堅いものだ」と見ていた。(C)Getty Images
日本でも小さくない物議を醸した騒動にあって、大谷翔平(ドジャース)は悪質なブックメーカーの“標的”となった。
この春、大谷は世界を震撼させるスキャンダルに巻き込まれ、“渦中の人”となった。元日本ハム時代に縁を結び、エンゼルスと契約した2018年から専属通訳だった水原一平容疑者が「銀行詐欺罪」で訴追されたのである。
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事のあらましが発覚した3月20日以降に徐々に明らかになっていった真実が、スキャンダルの深刻さを物語った。とりわけ世界を愕然とさせたのは、水原容疑者が関与していた違法賭博のスケールだ。
検察側の訴状によれば、2021年9月から違法賭博業者と関係を持ったという水原容疑者は、合計1万9000回のギャンブルを実施。総損失額は1億8290万ドル(約279億8370万円)にまで膨れ上がっていた。
膨大な借金が手に負えなくなった水原容疑者は、自らが開設手続きをサポートしていた大谷の給与口座から不正に資金盗用。大谷本人を装って銀行側に問い合わせ、自由に資金管理を行えるように細工し、1600万ドル(約24億5000万円)を違法賭博業者に送金していた。
不正使用を行なっていた際に水原容疑者は胴元に「またバンプ(上限の引き上げの意)してもらえるチャンスはある? 知ってのとおり、僕が支払わないという心配は必要ないよ」とメッセージ。訴状によって明らかになったこうした生々しい冗談も、世間を驚かせた。誰もが「まさか…」と信じて疑わなかったはずである。
もっとも、水原容疑者は常に大谷の間近にいた。しかし、一連の“裏切り”行為を周囲の関係者ですらも認知していなかったという。本人も3月25日に行われた声明発表会見で「彼にウソをつかれていた」と吐露。潔白を主張するとともに「うまく言葉では表せないような感覚」と複雑を極める胸中を打ち明けるしかなった。