ボクシング世界初挑戦となる船井龍一「気持ちや一発のパンチに自信はある」

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 IBF世界スーパー・フライ級1位にランクされる船井龍一(33=ワタナベ)が、アメリカのカリフォルニア州ストックトンで、同級王座を6度防衛中のジェルウィン・アンカハス(27=フィリピン)に挑む。

相手のアンカハスは、国外で4連続KO防衛を果たすなど「パッキャオ2世」とも呼ばれ、これまで戴冠試合を含めて7度の世界戦を経験している総合力の高い実力派王者。初の国外試合が世界戦となる船井は、2005年2月にプロデビューしたベテランで、数々の挫折を味わいながら大きく根を張ってきた。2016年4月の敗北を最後に、最近は日本王座獲得と2度の防衛、WBOアジアパシフィック王座獲得とIBF挑戦者決定戦を含め7戦全勝(6KO)と絶好調。そんな船井に、大舞台を前にした心境や世界戦へ向けた意気込みについて独占インタビューを行った。

(C)NAOKI FUKUDA/WOWOW

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――今回の世界戦が決まったと聞いた瞬間どうでしたか?
「ずっとボクシングをやってきて、日本、アジアと(タイトルを)とって、やっと世界戦という感じなので嬉しかったです」

――挑戦者決定戦に勝った瞬間から楽しみでしたか?
「挑戦者決定戦に勝って今年中に世界戦をやるんだろうな、とは思っていましたけど、それが1戦後なのか年末なのかははっきりわからない状態で、その中ですぐ決まったのでモチベーションは上がりました」

――気持ちの面でのコンディションはいかがでしょう?
「バッチリです!38戦やってきましたが、身体も今が1番いいです」

――世界戦は初めてのことだらけだと思いますが、気持ちの変化はどうですか?
「世界戦なので気持ちはすごく高ぶっています。これまでも毎試合毎試合もちろんそうでしたが、今は何をするにも世界戦のことを考えますし、一日一日を大事に過ごしているので、そういった面でもいつもより気持ちは入っているなと感じます」

――アルバイトを去年いっぱいで辞めました。
「今年は世界挑戦だと思ったので、ボクシング一本にするために辞めました。貯金を切り崩しながらやっています。18年ボクシングをやってきて、ワタナベジムに入らなければ世界挑戦なんてできなかったし、とてもお世話になっています。33歳でもうチャンスもこないと思うので、人生をかけてやろうと思っています」

――世界挑戦するにあたって何か変えたことはありますか?
「特にないです。普段通りにして、あまり新しいことを取り入れるのはよくないと思うので、いつも通りに過ごして、対策を(トレーナーの)高橋さんと一緒に考えています」

――自身の中での強みは何でしょう?
「ストレート系が自信あります。ジャブ、ストレート。なかなか当たらないとは思いますが、いかに自分のその武器を当てるかがポイントになるので、しっかり当たるような対策をとっていきたいです」

――高橋トレーナーは「船井選手もパンチはある」と言っていましたが、ご自身ではいかがですか?
「もし僕の方がパンチがあっても当たらなかったらそれはそれで勝てないので、そういうのは特に気にしないで……顔を合わせたら『泥臭くても何が何でも勝つ』という覚悟を決めてやるので、どっちのパンチが強いとか関係なく戦いたいです」

――ここ数試合も絶好調ですが自分でも感じていますか?
「日本タイトルをとってから気持ちの面が変わりました。それまではタイトル挑戦しても勝てなくて、それはやっぱり気持ちだなと気付いたんです。そのときにまた日本タイトルのチャンスがきて、その相手が高校の同級生でした。その選手に勝つことで気持ちが強くなったと思います。そこから大事なタイトルマッチでもKOで勝てるようになったし、自信が全てだなと感じました」

――気持ちだなと思ったキッカケは?
「ある日、田口(良一)元チャンピオンの試合を見たときに、後援者の方に『田口の眼を見てみろよ。あいつ殺し屋の眼をしているだろ』と言われたんです。確かにすごい眼をしているなと。よく考えたら、自分は試合の時にそういう眼をしていなかった。変にスポーツだと意識して、ボクシングに臨んでいたと思います。もちろんスポーツですが、やる本人からしたら殴り合いです。格闘技は倒し合いみたいなものなので、リングにあがるにはそういった殺し屋の眼をしないといけないなと気付かされました。

その同じ時期くらいに、いろんな方から『お前は優しすぎる』と言われ、そういった言葉もあり、変わるぞと思いました。そんな時に中川選手との試合が決まったので、親友相手にでもそういった気持ちで戦えれば自分は変われる、と思って日々気持ちを高めて試合にも勝つことができました」

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