ロングスローは「ずるい?」賛否の青森山田が決勝で涙

タグ: , , 2021/1/12

 「ロングスロー旋風」を巻き起こした青森山田がまたも決勝で涙をのんだ。11日に行われた全国高校サッカー選手権(埼玉スタジアム)決勝で、2-2のPK戦(2-4)の末、山梨学院に敗戦。SNSで賛否が起きているロングスローを絡めた攻撃で1度は同点に追いついたものの、2大会連続準優勝となった。

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 公式戦、練習試合も含めて今季無敗の青森山田は負けても強かった。山梨学院の牙城こそ崩せなかったが、大会を通して決定機の多さでは相手を圧倒。攻撃のバリエーションは豊富だったが、もっとも話題となったのがロングスローだった。

 DF内田陽介(3年)が得意とするスローインの飛距離は30メートル以上。ゴール前にチャンスボールを放り込み、ゴールを量産した。後半12分の同点弾も、右からのスローインを起点にゴール前で押し込んだもの。全5試合17得点のうち、実に8ゴールがロングスロー絡みだった。

 ロングスロー自体は珍しくなく、高校サッカーの時期になると話題になることが多い風物詩のようなもの。しかし今大会は青森山田の決定力がすさまじかったため、SNSでは是非論が浮上。一部では「フットボールではない」といった否定的な意見もあがるなど、ちょっとした騒動になった。





 ルールで禁止されているわけでなく、青森山田が文句を言われる筋合いは何一つない。特徴としては、キックでのセットプレーよりも、手を使う分、コントロールしやすく、オフサイドもない。ボールにはキックほど威力がなく、ヘディングで競り合っても遠くにはじき返してクリアできないため、こぼれ球の混戦になりやすい。

 ロングスローのターゲットとして、空中戦を得意にした藤原優大主将(3年)は「頭で後ろにそらすことで、そのボールにまた後ろから来た選手が飛び込み、触ってゴールというのが得点パターン」と必勝法を語った。黒田監督は「チャンスにもなり、ピンチにもなるロングスローだけど、きちんと対策を講じて対応していけば、それほど怖いものではない」と極意を説明する。

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