ソフト・金メダリスト山田恵里の「心のマネジメント術」~ルーティンの効用とは~
どんなに活躍し、明るく輝いて見えるアスリートでも、その一方では決して表には表れない苦しみや弱さはあるもの。
「心理カウンセラー×アスリート」の対談により、日々の生活や仕事にも役立つ「心のマネジメント」をひもとく本連載。第2弾となる今回からは今夏の東京五輪で日本中をわかせた女子ソフトボールで2大会連続となるキャプテンを務め、見事金メダルに輝いた山田恵里選手に臨床心理士・公認心理師としてこれまで様々な悩みを抱える人をカウンセリングし、解決へ導いてきた心理カウンセラー・塚越友子氏が話を聞く。
心技体で重視するのは?
塚越 今日は心とパフォーマンスの関係というところで、色々な角度からお話を伺いたいと思います。まず、心技体という言葉があると思うんですが、山田選手は「心のマネジメント」という部分において、試合で結果を出すためにどのくらい重要と考えていらっしゃいますか?
山田 まず、心が整っていないと結果も出ないと思っています。体づくりなどももちろん大事なんですが、心が整っていないと行動にも移せないと思うので、まずはそこからだなと思っています。自分の中では1番大事にしているところです。
塚越 では山田選手にとって心が整った状態というのはどのような状態なのでしょうか?
山田 ソフトボールが仕事なのですが、そこだけに集中できないことが実は結構あります。人間関係とか、環境の変化などですね。そんな中でもソフトボールにしっかりと向きあって集中できている状態が、自分にとって心が整っている状態なのかなと思いますね。
塚越 ソフトボール以外で心が乱されている状態の時、普段どのように整えているんですか?
山田 例えば人間関係なら、自分にとってマイナスになるようなことは入れないようにするとかですね。私は結構嫉妬されることが多くて。それを気にしてしまうと、あまりよくなかったりしますね。あとはチームプレーなので、もちろん勝つためにやっているんですが、どこか気持ちが入らない人もいたりもします。そういう人たちにどういう風にアプローチしていくかは、まず自分が結果を出すためには必要ではないことと分けて考えます。
それを自分のプレーに直結させないようにコントロールするというのはあるかもしれないですね。
塚越 嫉妬というのは他者が持つ感情であり、自分自身ではコントロールできませんよね、どのようにシャットアウトされているんですか?
山田 言い聞かせてます。『もう気にしないようにしよう』って。気にしないようにしようという時点で気にしちゃってるんですけど。
塚越 またキャプテンも務められた山田選手ですが、個人のパフォーマンスを出すためには、気持ちの入っていない人は見ないようにして、自分のことに集中みたいな感じなんでしょうか?
山田 立場として『見ないようにする』わけにはいかないので、『それはそれ』って思い『自分は自分』という感じで。まずは結果を出すことに集中します。当然気持ちが入ってない選手も放っておくわけにはいかないので、色々アプローチの仕方、言い方とかも変えたりなどはしています。
塚越 順番としてはまずは自分の結果を出すこと、そしてそれとは分けて、この人をどういう風にモチベーション上げていこうかという形でしょうか?
山田 そうですね。