油断した韓国選手を破る0.01秒の「奇跡」 逆転Vのローラースケート台湾選手の告白「僕は戦い続けていた」【アジア大会】
韓国との激闘を制して金メダルを掴んだ台湾の選手たち。その劇的なレースの舞台裏が明かされた。(C)Getty Images
最後の最後まで諦めない姿勢が栄冠をもたらした。
中国・杭州で開催され、連日のように熱戦が続くアジア大会。ありとあらゆる競技にスポットライトが当たるなかで、話題となっているのは、現地10月2日に実施された男子ローラースケートの3000mリレー決勝だ。
【写真】0.01秒の油断…韓国ローラースケート代表が敗れた決定的瞬間
世界も驚くハプニングが起きたのは、レースの最終盤だった。先頭を走っていた韓国の最終走者チョン・チョルウォンが、ゴールを目前にして勝利を確信。両手を突き上げ、ガッツポーズを披露したのだが、追走していた台湾のファン・ユーリンが直前でかわしたのだ。
両者の差は0.01秒。まさにコンマの世界だ。ファン・ユーリンがゴール手前で目いっぱいに伸ばした左足の先端が、わずかに速くゴールラインに接していたために生まれた逆転劇となった。油断をしたチョン・チョルウォンにとっては痛恨というほかにない。
まさに身体を張ったレースで、勝利をつかみ取った。逆転での金メダル奪取に歓喜するファン・ユーリンは、韓国の日刊紙『朝鮮日報』などの取材に「コーチからいつも『落ち着いて、前だけを見て走りなさい』と言われていた。だから最終コーナーでなんとか追い抜こうと思った」と吐露。運命を変えた最終局面について、次のように振り返っている。
「韓国の選手がすでに勝利を祝っているのは分かっていました。ゴールまでは本当に数メートルしかない状況でしたけど、彼らが勝利を確信してセレモニーセレブレーションをしていた時も、僕は戦い続けていたと言いたいですね。最後は本当に何も考えずに身体を伸ばしただけでした」