“難癖”を一蹴した井上尚弥 フルトン撃破の舞台裏で見せた「愛」にリング誌編集長も脱帽「彼を傲慢と言う奴もいた」

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 ここでフィッシャー氏が言う「軽蔑」とは、井上を過小評価する識者や同業者たちの声だ。数多の猛者たちを見定めてきた同氏は、「イノウエは色々と言われていた。『実績のある対戦相手はノニト・ドネア1人だけだった』や、そのドネアが『歳を取っていた』とかいう奴もいた。パフォーマンス向上薬を使った疑いを投げかけたり、グラブ(バンテージ)の巻き方が違法だとか、ありとあらゆる論争が積み上がっていた」と試合前に吹き荒れていた“逆風”を語った。

 さらに井上はフルトン陣営から「我々はクリーンにやりたいんだ」と指摘され、バンテージの巻き方に不服を申し立てられていた。そうした“難癖”をモンスターは意に介さず、リングで己の力を証明した。フィッシャー氏はこう舌を巻く。

「彼はフルトンの陣営に試合前に“愛”を見せたんだ。いや、まったくすごかった……。テーピングを巻くところを目の前で見せ、『これで大丈夫か? この巻き方でいいか?』と確認した。そしてリングに上がり、圧勝したんだよ。本当に一流で多才なボクサーにね」

 いかなる逆風にも動じず、己の力を信じ抜いた井上。彼の異次元の強さに、さすがのフィッシャー氏も惚れ込んでいる様子だ。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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