ロマチェンコvs井上尚弥の“異色対決論”が過熱 3階級も異なるのに沸騰 元世界王者は苦言「そういう論争はうんざりだ」

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ロマチェンコ戦は論外だ

 ただ、先述したように井上とロマチェンコとの階級差は3。体重にして約5キロも差がある。興ざめと言われるかもしれないが、仮にフェザー級で戦ったとしても、激しい減量を求められる後者のコンディションが万全となるかは不透明。それこそが階級制のあるスポーツの難しさではある。

 もっとも、“ボクシングの本場”では「井上vsロマチェンコ」の異色カード実現に反発する声が上がっている。

 かつて2階級を戦い、マニー・パッキャオ(フィリピン)、エロール・スペンスJr.(米国)らトップボクサーと対戦した実績を持つ元WBO世界スーパーライト級王者のクリス・アルジェリ氏は、米専門メディア『ProBox TV』の番組「Deep Water」で、「今、イノウエがホットな話題になっているから、こんな論争に人々が振り回されているのは分かる。だけど、彼はスーパーバンタム級に上げたばかりだぞ」と強調。そして、リアリスティックな意見を続けている。

「私はイノウエがすぐにフェザー級、もしくはスーパーフェザー級に階級を上げるとは見ていない。スーパーフェザー級でガーボンタ“タンク”デービス(WBA世界ライト級王者)と戦えばいいという話も出ているが、そういう論争はうんざりだ。やめて欲しい。その階級まで13ポンド(約5.9キロ)も離れている。イノウエはネリよりも小さく見えた」

 至極当然の主張だ。さらにライト級を主戦場とするロマチェンコとの戦いに「イノウエはもっと上げなければならない。8ポンド(約3.6キロ)の増量が必要になる」と指摘したアルジェリ氏は、こう断じている。

「ここまでにイノウエが成し遂げたことが凄すぎるから、こういう話題が出ているのだろうね。でも、私はロマチェンコもイノウエとの試合に興味を抱いているなんてまったく思えない。試合を実現させるための問題はあまりに多いよ」

 妄想をするのは自由だが、論外と言うべきマッチメイクで、井上の異色な強さを評価するのは言語道断である。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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