日本球界にも広がり始めた魚雷バットの波 プロだけではなくアマチュアにも波及

阪神の大山や西武の中村らが魚雷バットを使用している(C)産経新聞社
魚雷旋風が日本球界でも吹き荒れるか。阪神は4月26日、巨人に6-2で競り勝ち、今季初の6連勝を飾った。ゴールデンウイーク初日で今季最多の4万2631人で埋まった甲子園球場。お立ち台に上がった決勝打の大山悠輔が、前日から使い始めたのが、独特の形状からメジャーリーグなどで話題となっていた「魚雷バット」だった。
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この日がプロ通算1000試合目の出場だった。お立ち台では「僕一人の力じゃ無理でした。たくさんの方の支えがあって、ここまで来られた。全ての方に感謝したい」とまずは御礼を述べた。2日連続の決勝打となったが「僕の1本も、その後の得点も、チーム全員お流れで取った得点。本当はこのお立ち台にも僕だけでなく、チーム全員で上がりたいぐらいに思います」と殊勝に話していた。
同点の8回、1死二塁で前を打つ佐藤輝明が申告敬遠で歩かされ、絶好の勝ち越し機に打席に向かった。カウント0-1から、田中瑛斗が内角を狙ってきた149キロのシュートを、なぎ払うように振り抜いた。左翼線への勝ち越し二塁打。その後も3点が加わり、試合を決定づけた。
魚雷バットは先端が細くなり、バットの最も厚い部分が手元寄りにある。その分、バランスが手元に移り、人によってはスイングスピードが向上。また、いわゆるバットの芯も、手元寄りに移るという。いわゆる「詰まらされる」ことが多い打者への手助けとして、開発元とされるヤンキースなどで大流行。この日の内角を豪快にさばいた大山の打撃は、まさに魚雷バットの賜物とも言えた。