NPBで規定投球回超え“ゼロ”の懸念をどう払しょくするか 佐々木朗希の適応にドジャースが目論む「覚醒計画」とは?

目下、開催中の春季キャンプではブルペン投球もこなしている佐々木。(C)Getty Images
ワールドシリーズ連覇を目指すドジャースにとって、“新人”である佐々木朗希の起用法は一つのカギとなる。
複数球団が熾烈な争奪戦を繰り広げた佐々木の獲得を巡っては、起用プランが一つの焦点となった。選手側も1次選考を突破した8球団との面談前に「昨シーズン、日本でなぜ速球(の平均球速)が落ちたか。その原因を突き止め、二度と起きないと保証するためのプランを提示してください」と“条件”を提示。ドジャースを含めた各球団は育成計画を盛り込んだプレゼンの作成に追われた。
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最終的に「総合的によかったという判断」(入団会見での本人談)と佐々木を納得させ、契約に至ったドジャース。球界で垂涎の的となった怪物の育成法が注目を集める中で、一つの決断が下されてもいる。それは同球団が佐々木に規制を設けないというものだ。
NPBでの5年間で佐々木は一度も規定投球回をクリアした経験がない。ロッテ首脳陣が“日本球界の至宝”となる怪腕のコンディションと肉体的成長を考慮し、慎重に育ててきた影響はあったが、その事実は中4日で先発ローテーションを回すことが通例となっているメジャー挑戦を果たすうえでも小さくない懸念材料であった。実際、米スポーツ専門局『ESPN』の取材に匿名で応じたMLB球団のスカウトマンは「我々は『働き者』だとは思わない」と意見していた。