卓球・混合団体W杯をめぐって勃発した日中間の「卓外戦」 急転直下のドタバタ劇で浮かび上がった思惑とは

タグ: , , , 2023/11/15

 ところが、ここで徹底的な強硬姿勢を取り続けないのが中国のしたたかさ。日本に選手引き上げという鞭を与える裏では、ITTFにこの大会を世界ランキングポイントの対象にするような働きかけを行っていたのだ。ITTFとしては世界王者の中国の意思を尊重せざるを得ず、首尾よくこの大会はランキングポイントの対象大会に「格上げ」された。

 これにより、日本協会も大会への参加を決め、11月11日にはITTFから出場を認めることが正式に通達された。そして中国協会も中国選手のTリーグ出場を解禁。11月5日には早くも琉球アスティーダの徐晨皓が出場した。

 2021年の東京オリンピックで水谷隼・伊藤美誠ペアが許昕・劉詩雯の中国ペアを破り、金メダルを獲得した。中国としてはそのリベンジを果たす機会を虎視眈々と狙っており、W杯はその格好の機会だったのである。現在の日本チャンピオンである、張本智和・早田ひなペアを打ち破って優勝を果たすことがこの大会の最大の成功となるのだ。

 ただし、日本人選手のスケジュール調整が上手くいったとは言えず、日本代表の男子は張本智和、戸上隼輔、曽根翔、吉山僚一、女子は早田ひな、平野美宇、木原美悠、張本美和の各選手で現時点では最強と言っても良い布陣ではあるが、中国が五輪の敵討のターゲットとしていたであろう伊藤美誠は出場しない。このことで中国側が臍を曲げてしまわないとも限らない。ファンとしては協会同士の「卓外戦」ではなく卓上の熱い戦いを純粋に楽しみたいところだ。





[文:江良与一]

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