「無茶苦茶に練習をさせるっていう時代じゃない」ルーキー全員二軍スタートの決断を支えた“焦らない育成”の真意 村田二軍監督に訊いた思想【DeNA】
ドラフト1位指名を受けた小田。即戦力として期待された彼も二軍スタートとなったが、そこには明確な意図があった(C)萩原孝弘
目先の一軍昇格ではなく、その先を見据えて――
村田監督の考え方は一軍でも共通認識として広まっていた。一軍にいながら入来祐作二軍投手コーチらと連携して育成に携わり続けた小杉陽太投手コーチも、ルーキーたちを焦らせず、まずは土台を作ることを重視していた。
「デプスチャートやフロントの考えとして、今いる現戦力で、まずはシーズンのプランニングをしていく。その中で、ルーキーの選手が大体6月とかそのあたりで出てきてくれるといいなっていうところでした」
もちろん、社会人出身のオールドルーキーである片山については、より前倒しで一軍に上げる可能性も考えられていた。それでも、投手、野手を問わず、まずは身体作りから入るという方針は明確にあった。
「野手、投手問わず、まずはしっかり身体作りから入っていこうというのはありました。2年前の石田裕太郎もそうでしたし」
ただ、選手たちの成長によって想定より早く一軍へ送り出すケースも生まれた。宮下がファームで存在感を示し、島田も春先に一軍に昇格した。しかし、小杉コーチは島田のケースを通して、改めてフィジカルの重要性を感じたという。
「島田に関しては1か月ぐらい前倒しして上げてしまった。なので、結果的にコンディション不良で再調整になってしまった。そういうのも含めて、特にルーキーは、まずしっかりフィジカルを上げていかないとですね。フィジカルが積み上がれば、球速もっと上がるよね、打球速度もっと出るよね、みたいなのを、ちゃんと作っていけるといいと思いました」
目先の一軍昇格ではなく、その先まで見据えて身体を作る。
早期昇格が見込まれた片山についても、すでにストライクゾーンで勝負できる力があるからこそ、次の段階のフィジカル強化が求められた。小杉コーチは言う。
「プロ野球に沿った身体作りをしないと。ローテーションというサイクルの中で投げていかないといけないんで。ここは、社会人みたいに、この1週間、ここの1か月だけ頑張ればいいっていう問題じゃないんで。年間を通して良いボールを維持するためにどうするのかっていうのは、今年いい勉強になったと思う。そういう意味でも2軍スタートで良かったと思いますよ」
143試合を戦い抜くプロの世界。アマチュア球界とは違う環境にマッチするためにも、二軍スタートには明確な意義があったのだ。












