「無茶苦茶に練習をさせるっていう時代じゃない」ルーキー全員二軍スタートの決断を支えた“焦らない育成”の真意 村田二軍監督に訊いた思想【DeNA】
一人ひとりに合わせた育成サイクル
では、「プロ野球に沿った身体作り」はいかにして行われていたのか。ファームで実際に実行されたのは、試合と練習、筋力トレーニングを組み合わせた育成だった。
「試合から外して練習、トレーニングさせる日も作る。それができてきたら、試合に出し続けて野球を覚えさせる。秋になったらまたウエイトトレーニングとか、打球速度を出す」
村田監督は、メリハリをつけたメニューで段階を踏ませていった。重要なのは、全員に同じメニューを当てはめることではなかった。
「社会人大卒の子たちは特にですけど、バットに当てる能力はみんなある。宮下も、小田も、成瀬もあります。でもそこをもうワンランク上に上げるのには、やっぱ筋肉が必要なんです。コンタクト能力がないやつは当て勘をつけるために振って覚えるしかないですけど、彼らはその段階ではない」
ピッチャーの片山についても考え方は同様だった。フィジカルを強くすること自体が目的ではなく、必要な技術を身につけ、その上で次の段階へ進んで行く。
「ストライクゾーンで勝負できるんだったら、身体を強くする段階に入る。段階を間違えちゃうと球速いけどストライクが入んないっていう状態になっちゃうんです」
ドラフト上位選手であれば、話題性も含めて一軍キャンプスタートというのはプロ野球界でよくある起用だ。だが、村田監督は、現在の育成環境に合わせて、それぞれを選手の成長に合わせて組み合わせる必要性を説く。
「無茶苦茶に練習をさせて、身体をゴリゴリに鍛えますっていう昔のスタイルの時代じゃないんでね。ウエイトはウエイト、技術練習は技術練習。もう今は別れてるんで。それに順応するにはどうするかと言えば、選手の考え方をまず統一するっていうのが1番手っ取り早いんじゃないかなと思いますけどね」
村田二軍監督が掲げた「強い選手をまず作る」という育成思想。焦らず、急がず。しかし止まらない。一人ひとりに必要な時間を与え、必要な階段を一段ずつ上らせる。その積み重ねこそが、2026年のルーキーズの輝きの原動力となった。
[取材・文/萩原孝弘]
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