なぜ森保ジャパンは4バックへ“回帰”したのか 「W杯32強敗退の教訓」と期待したい来月の「ブラジル再戦」でのテスト
森保監督は来月のブラジル戦でも4バックを採用するのだろうか(C)Getty Images
2024年1月のアジアカップ後から採用してきた3バックを、キリンカップのニュージーランド戦では4バックに変更した。
ビルドアップ時に鎌田大地や田中碧が下りて4枚回しに変形したり、あるいは4トップ気味のパラグアイなど主に南米勢に対してウイングハーフを片上げして枚数を合わせる可変プレスなど、可変型の4バックは、これまでも対戦相手に応じて使用してきた。しかし、今回のようにベースを4バックとするのは、久しぶりの挑戦だ。
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いや、ニュージーランド戦の内容を見る限りは、挑戦というよりリハビリと言ったほうが正しいかもしれない。
3バック(3-4-2-1)は、ペナルティーエリアの幅というゴールに直接つながるエリアに手厚く3枚を置けるシステムだ。技術的、戦術的、対人的エラーが起きやすいチームが使えば、この手厚い3枚が保証となって試合運びが安定するため、リーグの中位以下のチームが用いることが多い。
また、CB3枚の守備も容易だ。大体は人に対してチャレンジ&カバーを実践すれば事足りる。3枚いるので、チャレンジ&カバー以外にもう1枚、ゴール前のスペースに残れるからだ。守備戦術としては非常にわかりやすい。
しかし一方、4バックはそうもいかない。3バックのように人数の偏りがない均等なシステムなので、サイドにも中央にも中盤にも人数をかけやすいメリットはあるが、その人数を偏らせるべき場面で判断を誤ると、大きなリスクに変わる。たとえばニュージーランド戦、32分の失点場面のように、両サイドバックが同時に上がってCB2枚をさらした状態でボールロストすれば、ピンチを迎える。さらにボランチの鎌田大地もライン間へ入って行くため、CBと佐野海舟の3人だけでカウンターを防ぐ困難に遭ったことは、まさに上記のリスクが表面化したものだった。
「ボランチは2枚とも、潰せるタイプがいいなあ!!」
ニュージーランド戦は著者個人にスケジュールの都合があり、現地取材できず地上波で視聴したが、後半のあるとき、解説の松木安太郎さんがそうつぶやいたのは印象的だった。特に根拠も示さず、感覚的な言い方ではあったが、的は完全にとらえている。
つまり、両サイドバックが同時にこれほど高い位置を取るなら、ボランチには行ってほしくない。CB2枚とボランチ1枚、[2-1]でカウンター対処はできないので、せめて[2-2]にしたい。それが無しで鎌田の攻撃力を生かしたいのなら、逆側のサイドバック(失点場面でいえば中野就斗)は斜めに下がってリスク管理に加わってほしい。しかし、各人にそうした判断はなく、まるでCBが3枚いるかのような、鈍感なリスク管理をしていた。
3バックの癖が残っている。
瀬古歩夢のクリス・ウッドへの寄せ方もそうだ。瀬古はゴール前のスペースを空けて出て行ったので、それならばウッドを完全に潰し切る覚悟で行かなければならない。あるいは出て行かず、本当に危険なシュートゾーンまで引きつけるか。
いずれにせよ4バックのCBは、3バックのように人、人へ行けば大体OKとはならないのだ。常にゴール前のスペースを意識し、ここで絶対にフィニッシュされないよう守らなければならない。出る、出ないの判断は、3バックのCBよりも難しい。この判断も誤った。
中野といい、瀬古といい、まるで全員に3バックの癖が残ったまま、4バックをやっているニュージーランド戦に見えた。そこで冒頭、「リハビリ」と表現させてもらったわけだ。













