なぜ不動のボランチ遠藤航の代役はFWの町野修斗なのか? 森保監督の言動から考える疑問を生んだ“構想”のワケ「誰かが欠けた部分はチームで勝っていく」【W杯】
遠藤の代役に町野の招集を決めた森保監督(C)Getty Images
SNSでも疑問が飛び交った町野の抜擢
興味深いのは、ボランチ起用の想定だった遠藤の代役に、最前線でのハードワークが信条でもある町野が抜擢されたこと。
遠藤と同じ湘南ベルマーレでプレーした実績を持つストライカーは、確かに複数ポジションをこなせるマルチロールではある。しかし、CF以外に任せられるのは左ウイングやトップ下までで、守備的な役割は見込めない。
さらに今回のメンバーでは、ボランチ起用が見込まれているのは、鎌田大地(クリスタル・パレス)、田中碧(リーズ)、佐野海舟(マインツ)と3人。不慮のアクシデントや累積警告による出場停止を考慮すれば、藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)や守田英正(スポルティング)の追加招集も十分に考えられた。実際、SNSでは「なんで町野?」「守田はここでも呼ばれないんか」「ボランチ薄くない?」といった疑問の声が目立った。
だが、呼ばれたのは町野だった。無論、前回のカタール大会にも呼ばれていた26歳は、W杯での経験も評価されたのだろう。加えてアイスランド戦で遠藤の交代後に採用したCBを本職とする瀬古歩夢(ルアーブル)をアンカーに起用する3-1-4-2の“ファイヤーフォーメーション”が実戦向きであると判断できたのもあるはずだ。
さらに瀬古だけではなく、板倉滉(アヤックス)と冨安健洋(アヤックス)の両CBも、クラブチームではボランチでのプレー経験を持つため、非常事態において対応ができるだけのスカッドはいる。その中で、森保監督はオフェンスとディフェンスのバランスを考える中で、ハイインテンシティとトランジションを保ち続けるために前線に厚みを出すという判断をしたのだろう。
4年前のカタール大会以降で、「凡事徹底」を徹底的に統一してきた森保監督。26名のメンバーを選考した際の会見では、チーム構想の一端を、次のように明かしていた。
「どこのポジションにアクシデントがあったらどう対応するかということも含めて、全ての選手が欠けた時にどうなるかということを考え続けてきた。誰がということはなかった」
「チームコンセプトである『誰が出ても勝つ、誰が出ても機能する』というところで、チームの総合力で戦っていくことはこれまでもやっている。その時のメンバー編成がベストだということで、今選んだ選手がベストだと思っている。これまで同様、誰かが欠けた部分は総合力でチームで勝っていくことをこのW杯でも、結果でもってみなさんに見ていただければと思っている」
欠けた部分はチームで補う――。国際経験も豊富で、精神的支柱でもあった遠藤を失った影響は計り知れないだろうが、「誰が出ても機能する」というコンセプトで戦ってきた日本は文字通りの総力戦で挑む覚悟でいる。
来るオランダ戦は、チーム状況を考えれば、大きな試練となるのは必至。その中で町野を呼んだ指揮官の手腕が真価を問われそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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