「他の投手なら投げさせない」――記者で鮨詰め状態の監督室に走った緊張 投手復帰が白紙になった大谷翔平 “二刀流戦士”に今何が起きているのか【現地発】
ブルペンでの“最終テスト”を経て、今季中の投手復帰は白紙に戻った大谷(C)Getty Images
投打二刀流の継続は何よりも夢がある。だが…
MLBのレギュラーシーズンも残り1か月を切り、ワールドシリーズ3連覇を狙うドジャースの周囲では大谷翔平のコンディションと起用法が話題の焦点になっている。
6月末に炎症が判明した左膝の状態が懸念されながらも、大谷がマウンド復帰へ向けて調整を進めていたのはファンならご存知の通り。8月28日にはデトロイトでブルペンセッションを行い、30日に予定されていた先発登板に向け、最終調整をこなしたかと思われた。
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ところが―――。29日のタイガース戦後、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は大谷の復帰登板予定が白紙に戻ったことを明かした。
「ショウヘイは(ブルペンを)終えてから腕(右腕上腕)も、膝も状態が良くない。どの投手であっても同じような状態なら私たちは投げさせない」
ロバーツ監督がそう話すと、約20人の記者で鮨詰め状態となった監督室に緊張感が走った。
「(復帰へのタイムラインは)決めていない。目標や具体的な日付を設定することが、誰にとってもプラスになるとは思わない。ロサンゼルスに戻り、彼の身体がどういう状態なのかをしっかり確認してから先のことを考えていく」
この流れは予測できないことではなかった。7月3日以来の登板を目指した大谷は前述通り、28日のブルペンで“最終テスト”を行った。そこでは立った状態の捕手に7球、座った状態で17球、計24球を投げてはいたが、軽めの投球に終始した。
この内容を受け、29日の試合前にロバーツ監督は「100パーセントの状態ではないと思う。としたら、1イニング投げて調整を進めることにどれだけ意味があるのか、それとも投げないほうがいいのか」と苦悩を明かしていた。そんな背景を考えれば、むしろ“登板させる選択をした場合の方がサプライズ”と言える状況だった。
投手復帰を目指す過程において、ドジャースの周辺では、大谷の“二刀流”に対する並々ならぬ意志が感じられた。もう散々語られてきたことだが、近年の野球史でも投打の両方でエリートレベルの活躍を果たした選手はいない。その継続を目指すのは、とてつもないことであり、何よりも夢がある。やれる可能性がある限りはそれを目指すべきだと思うし、今季の大谷もそれをしてきたのだろう。過去2年、すでにドジャースの2連覇に大きく貢献した大谷の意思はチーム内でも許容されるべきだ。
ただ……ここまでのプロセスを見る限り、上腕、膝ともに、大谷の身体が悲鳴をあげていることは明白。同時に現在のドジャースのチーム状況を見れば、投球の一時停止は賢明かつ妥当な判断に思える。













