「他の投手なら投げさせない」――記者で鮨詰め状態の監督室に走った緊張 投手復帰が白紙になった大谷翔平 “二刀流戦士”に今何が起きているのか【現地発】
大谷の起用法に頭を悩ませるロバーツ監督。誰よりも二刀流の価値を信頼してきたからこそ、その使い方も慎重になる(C)Getty Images
大谷の低調な打撃。そして、層が厚いドジャースの先発投手陣の顔ぶれ
「彼は競争心の強い選手だから、両方やりたいと思っている。今この瞬間、彼自身もまだ投げられる可能性があると感じているんだと思う。私も『その可能性はない』と言っているわけではない。でも結局のところ、彼はロースターの強みや弱み、そしてチームにとって自分がどれだけ大きな価値を持っているのかをよく分かっていると思う」
そんなロバーツ監督の言葉通り、山本由伸の充実に加え、タリク・スクバルの加入、ブレイク・スネル、タイラー・グラスノーの復帰で先発投手陣の駒は揃った。たとえ大谷が5イニング程度を投げられるくらいに回復したとしても、プレーオフの先発ローテの一角は保証されないほどに層が厚い。
一方でドジャース打線は7月に打率.247/出塁率.316/長打率.395という冴えない成績に終わり、8月は.240/.310/.376とさらに悪化。オールスター後の164得点、42本塁打(8月いっぱいまで)はどちらもメジャー全体で下位に入る。
8月のドジャースは、今季初の月間負け越し(13勝14敗)という成績で終わった。その主な要因は紛れもなく貧打だった。ロバーツ監督の「ショウヘイの打撃面での価値は非常に大きい。どんな形であれ、そこを犠牲にすることはできない。投げることが打撃に影響を及ぼす可能性があるのなら、それに見合うだけの価値はない」という言葉は真実味を持って迫ってくる。
特筆すべきは、大谷自身の打撃も8月19日以降、打率.143(35打数5安打)、0本塁打と低調なことだ。今季最初の68試合、304打席を終えた時点では打率.305、出塁率.426、長打率.553、wRC+166を記録し、自己5度目のMVPに向けて邁進しているように思えた。それが8月は打率.241(108打数26安打)、6本塁打、OPS.794(長打率.472、出塁率.322)と急降下。最後の10試合では本塁打も出なかった。
地元メディアの間では、投手としての調整の負担が増えたことが、低空飛行の原因となっているのではという見方が一般的。実際に最近はスイング時に下半身に力が入っていないようにも見えるだけに、懸念の声が増えるのは当然なのだろう。だとすれば、ドジャースは今後、大谷をどのように起用すべきなのか。













