7年ぶり優勝は成長の証か 難敵フィジー撃破で見えたラグビー日本代表の「進歩」と「課題」
そして、課題はまだある。フィジー1本目のトライは、トライライン間際まで迫ったのちに、フランス代表キャップを32持つ巨漢CTBビリミ・バカタワが、小柄なSH齋藤直人、SO伊藤龍之介が守るスペースにまっすぐ走り込んで、2人を蹴散らして挙げたもの。流れの中で、BK同士が1対1になってしまうような場面ではコリジョンで遅れを取ってしまう。特に小柄な日本人選手が務めることの多いSH、SO間は今後も各国から狙われる場面が増えていくことが予想される。ここの強化なしにはジャパンのW杯での上位進出は望めないし、ハイパフォーマンスユニオンでい続けることすら難しくなる。エディー・ジョーンズHCをはじめとする首脳陣の手腕に期待するしかない。
ハイボールの競り合いも相変わらずの課題だ。この試合は、ジャパンがセットプレーを増やすためにタッチキックを多用したのと、フィジーのハンドリングミスにも助けられて失点には繋がらなかったが、危なっかしさは依然として消えないままだ。この試合に起用されたWTB長田智希はキャッチミスを2回犯したが、彼の落下点への入りの素早さは評価できる。彼の知見をWTBのみならず、ハイボールに備える可能性のある全ての選手に共有化して改善を望みたい。
ここ数年、悪い負け方を繰り返してきたフィジー相手に勝利をつかむことができたのは、ジャパンの着実な進歩の証ではある。ただしこの進歩が世界のトップにキャッチアップしているか否かは依然として不透明だ。まずは10月24日に予定されているフィジーとの「リターンマッチ」に勝つとともに、その後に控えるネーションズチャンピオンシップでの各国の対戦でもしっかりとした進歩の証を見せていただきたい。
[文:江良与一]
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