井上尚弥戦の悪夢は「乗り越えた」 “歩行不可能”で敗れたドヘニーが再起誓う「つらかったが、もう過去。全て水に流した」

井上に防戦一方で敗れたドヘニーは、ボールとの大一番に挑む。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
ショッキングな敗北から約7か月。38歳のベテランがふたたび王座に挑む。
ボクシングの元IBF世界スーパーバンタム級王者のテレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)は、現地時間3月15日に英リバプールのM&Sバンク・アリーナで、WBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英国)との世界戦に挑む。
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異例のビッグマッチに鼻息は荒い。昨年9月に東京・有明アリーナで世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)に挑戦したドヘニーは、地力の差を見せつけられる形で7回TKO負け。相手の猛打を前に成すすべなく、最後は腰を痛めて無念の棄権を余儀なくされた。
文字通りの完敗というショッキングな負け方をしたドヘニーだが、思わぬ形でチャンスは舞い込んだ。“モンスター”との興行を成功させた取り組みが評価されたことで、将来的にフェザー級での井上戦実現を公言するボールとの王座戦が実現。ふたたびタイトルマッチの機会に恵まれたのだ。
もっとも、世間のドヘニーに対する評価は決して高くはない。井上戦で打ちのめされたパフォーマンスもあり、多くのメディアやファンがボール優位という見方を崩さない。実際、22戦無敗の現王者は実力と勢いで優っている感は否めない。
ただ、ドヘニーにも数多の歴戦をこなしてきたファイターとしての自負がある。現地時間3月13日に記者会見に臨んだ38歳は「ニックが俺を見下しているとは思わないが、ボクシングを知らない愚かなメディアの連中は最悪だ」と発言。自身の敗戦を一方的に予想する風潮にくぎを刺した上で、追憶の中にいる井上戦を振り返りながら、“打倒・ボール”を意気込んだ。