今夏の移籍市場で“成功”したのは誰? 脱出した中村敬斗、デビュー弾の上田綺世、一方で佐野海舟は…欧州組の明暗を探る
2部からの脱出に成功した中村。新シーズンが楽しみだ(C)Getty Images
欧州主要リーグの夏の移籍市場がクローズし、日本代表欧州組の動向もひと段落した。
2026年北中米ワールドカップ(W杯)参戦の代表主力組でステップアップを果たしたのは、パルマからアストン・ビラへ赴いた鈴木彩艶、セルティックからイプスウィッチへ赴いた前田大然、終了ギリギリのタイミングでフェイエノールトからリールへ移籍した上田綺世、スタッド・ランスからの脱出に成功してリヨンに移籍した中村敬斗の4人ではないか。
【動画】途中出場で決勝点!上田綺世が決めたデビュー戦でのゴールの映像
世界中から動向が注視されていたのは、やはり鈴木彩艶だ。当初は昨季UEFAチャンピオンズリーグ王者であるパリ・サンジェルマン(パリSG)行きが本決まりになりかけたが、交渉が決裂。直後にアストン・ビラの話が浮上し、本人もプレミアリーグ参戦を選んだ。その時点でアルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネスのチェルシー移籍話が本格的に進んでおり、“出場機会が巡ってくる”という計算があっての決断だったに違いない。
迎えた新シーズン。8月23日の開幕ブライトン戦こそベテランGKマルコ・ビゾットに先発の座を譲ったものの、31日の第2節アーセナル戦でいち早くスタメン出場。チームは0-1で敗れたものの、強烈なインパクトを残しており、新天地で上昇気流に乗りつつあるのは確かだ。「プレミアの正守護神が日本代表GK」という状況が生まれたのは、森保一監督、大岩剛次期監督にとっても力強い材料。彼には一気に突き抜けてほしいところだ。
前田大然もイプスウィッチで早々と定位置を奪取。自慢の快足とハードワーク、献身性でチームからの信頼を勝ち取り、地位を確立しつつある。ただ、セルティックでゴールを量産してきた前田もプレミアの守備網というのは想像以上に堅牢なのだろう。今のところ決定機は何度か訪れているが、まだ得点はない。その壁をいち早く越えることができれば、数字を伸ばせる可能性もある。シーズン序盤の今が正念場と言っていい。
28歳にしてようやく欧州5大リーグ参戦を果たした上田は、デビュー戦ゴールといい流れに乗った。リーグアンはプレミアよりレベルやや格下と見られがちだが、屈強なフィジカルを擁する選手がズラリと並んでおり、タフさや駆け引きを養うにはもってこいの環境。しかも主軸FWのオリヴィエ・ジル―が間もなく40歳で、シーズン通してのフル稼働は難しい。となれば、今後も上田にチャンスが回ってくるのは間違いない。それをしっかりとつかめれば、点取屋としてもう一段階成長できるはずだ。
そして、中村敬斗も移籍期間終了のタイミングでリーグアンの強豪リヨン行きの話が浮上。移籍市場閉幕後もフランス国内の選手を1人獲得できる特例の「ジョーカー制度」を利用し、レンタル移籍が実現した。
これはベルギー代表FWマリック・フォファナがサンダーランドに移籍したことによる玉突きではあるが、2部脱出が悲願だった中村にとっては渡りに船としか言いようがない。2026年W杯での活躍度を見れば、「プレミアでも十分やれる」という評価もあったが、リヨン行きは悪くない道。これ以上、2部で時間を使うのは、彼自身の成長を考えても得策ではなかった。新天地では途中合流になるため、すぐに主軸になれるかどうかは分からないが、本番に強い男はやってくれるだろう。













