謎のまま“迷宮”入りで波紋広まる…イチローの殿堂入り投票に米記者が疑問「なぜ消えたのか?という疑問は付きまとう」

米殿堂入りを果たしたイチロー氏。彼に集まった票の行方が物議を醸し続けている。(C)Getty Images
球界に大きな謎を残した1票の行方は、いまだ波紋を呼んでいる。
話題沸騰となったのは、現地時間1月21日に発表されたイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)の米野球殿堂入りの快挙だ。現役時代にマリナーズを筆頭にヤンキース、マーリンズで活躍し、MLB通算3089安打を放ったレジェンドは、有資格1年目で堂々の選出。全米野球記者協会(BBWAA)に所属する記者の投票で394票中393票という圧倒的な支持を集める偉業をやってのけた。
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ただ、事前段階で「満票選出は間違いない」と見込まれていたイチロー氏だけに、わずか1票差での野手史上初の快挙未達成は物議を醸した。
発表からおよそ2週間となる現地時間2月4日、BBWAAは2025年の殿堂投票数394票のうち321票(81%)を公開。そこでもイチロー氏に票を入れなかった記者が誰なのかに注目が集まったが、結局不明のまま。73名の非公表者の中に答えは埋もれる形となった。
この結果に不満の声はふたたび広まった。米『Yahoo! Sports』のジャック・ベアー記者は「イチローの殿堂入りを拒絶したBBWAAの唯一の投票者はいまだ逃亡中のままだ」と糾弾。さらに2020年に同じく1票差で満票選出を逃したデレク・ジーター氏のケースも投票者が現れないままであることを伝えた上で「これだけの怒りを集めたことはイチローに対する尊敬の証でもある。だが、シンプルに『なぜ1票は消えたのか?』という疑問は付きまとう」と指摘。そして、次の可能性を列挙した。