吉田正尚の成功を生んだ日本での周到な分析 レ軍首脳陣に反発覚悟で大枚を叩かせた“対応力”「従来のやり方ではダメ」

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 吉田のメジャー移籍に際して、最も多くの論じられた懸念点の一つが、速球への対応だった。世界中の剛腕が集う米球界において「日本人投手の平均球速はメジャーと比較して遅い」という固定概念があったからだ。実際、それは間違いなどではなく、22年の平均球速はNPBが90.8マイル(約146.1キロ)だったのに対し、MLBの速球は93.6マイル(約150.6キロ)である。

 だが、29歳の日本人はレッドソックス首脳陣の懸念を吹き飛ばした。スカウティングにも関わったというピーター・ファットシー打撃コーチは、あらゆる球速帯のボールに的確な反応をする吉田のバッティングを目の当たりにし、「変化球であれ、速球であれ、彼のメカニクスは決して崩れることはなかった。打席内でテコ入れをする必要がなかったんだ。あれは私の目を輝かせた」という。

 日本での周到な分析と、他でもない当人の図抜けたスキルがあったからこそ、周囲が反発を受けようともブレなかった。レッドソックスは吉田の成功に絶対的な自信を持っていたのだ。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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