戦術を打ち破る“個”は現れるか 4年後の主役候補、松木玖生と塩貝健人に期待したい理由
デビュー戦でゴールを決めた松木は大きなインパクトを残した(C)TakamotoTOKUHARA
日本代表史上最強の呼び声も高く、かつてない期待を背負い北中米ワールドカップ(W杯)に臨んだサムライブルー。だが、結果はベスト32の壁を乗り越えることができずに幕を閉じた。主力と目されていた選手が怪我によりメンバー入りが見送られ、また大会に突入してからも負傷者を出すなどアクシデントが重なる不運もあり、チームは失意のまま北中米の地を去ることとなった。
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指揮官が期間限定で継続となる中、日本は4年後のW杯での躍進を目指しリスタートを切った。チーム構成において活発な新陳代謝を必要とするサッカーでは、未来の主力を担う新たな選手の出現が、さらなる躍進のためには絶対条件となる。そうしたなかで迎えた9・10月シリーズの4試合では、北中米W杯組の主力から定位置を奪うような若手の台頭が望まれた。
しかし、今回のチームは現在のレギュラー組を含む31人(最終的には負傷離脱者が出て33人)が招集される大所帯となり、若手選手の出場は限定的に終わる。そして、彼ら次世代を担う選手たちは、限られた出場時間となったなかでも、明暗を分けることになる。
最初の試合となった9月24日のウルグアイ戦では、右ウイングで先発した松木玖生が先制点を叩き出し、83分から出場した塩貝健人もチームを勝利へと導くゴールを決めて結果を出した。
続く9月28日のベネズエラ戦では佐藤龍之介、後藤啓介、齋藤俊輔、田中聡など多くの次世代を担う戦力が投入された。雨中戦となったこの試合では、得意のドリブルで果敢に相手守備陣に切り込む佐藤のプレーが目に留まった。だが、90分間の流れを振り返れば、日本は2-1で勝利したもののチーム全体でリズムを作れずに終わっている。
若手の選手たちも、その停滞した流れを力強く押し返すことはできなかった。彼らは高い守備意識とボールを繋ぐといった、戦術的な動きは確実にこなしていたが、逆にそれを忠実に行うことによって、局面における独創的なアイデアを打ち出せず、プレーが小さくなってしまった印象を受けた。
特に前線に張る後藤は、意識が戦術の遂行に囚われていたからか、自らが主役となり、見せ場となる後方からのロングボールへの争いに果敢さが見られなかった。もっとパワーで相手をねじ伏せるようなダイナミックな空中戦を展開してほしかった。
月が改まり3試合目となった10月1日のエクアドル戦には、ウルグアイ戦では本来の力を発揮できなかった鈴木唯人が再び先発出場を果たす。試合前に整列する選手のなかから鈴木をカメラのファインダーで捉える。レギュラー奪取を目指し、そのミッション達成への自信からか、不敵な笑みを浮かべる鈴木にハッとなった。
だが、その表情は活躍を期待させたが、相手のエクアドルも負けてはいなかった。先のベネズエラ戦は日本自身がリズムを作れなかったが、このエクアドル戦は相手のハードマークによって、サムライブルーは本来のサッカーを封じられることになる。鈴木もここぞの場面で精彩を欠き、所属クラブでの好調を代表チームでは体現できずに、無念のまま67分でピッチを去ったのだった。













