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なぜFIFAは頑なだったW杯売却計画を「中止」にしたのか インファンティーノ会長の決断を変えた内部分裂 側近たちが反旗を翻した「舞台裏」

タグ: , 2026/8/1

W杯を世界の投資家たちに売却しようと画策したインファンティーノ会長(C)Getty Images

目的はあくまで「サッカーの価値」の最大化

 一大構想は日の目を見ることなく破綻した。現地時間8月1日、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は、世界中で物議を醸したワールドカップ(W杯)を含む“事業売却案”の断念を正式発表した。

 サッカー界が揺れた4日間だった。騒動の発端は、去る7月28日(現地時間)に明るみになったFIFAの計画にあった。

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 FIFAは、サッカー界の商業化を重視するジャンニ・インファンティーノ会長の強い推進によって動いた。まず、評価額200億ドル(約3兆2700億円)規模の新子会社「FIFA Forward Enterprise(FFE)」を設立。男女の世代別W杯など主要大会を運営していく一方で、株式20~30%を民間投資家に売却し、最大42億ドル(約6880億円)という莫大な利益を加盟する211のサッカー協会に分配しようとした。ちなみに英紙『The Times』によれば、各協会が計画に賛同するか否かの返答期限は「53日以内」と定められ、同意した場合には最大4000万ドル(約60億円)が提供されると伝えられた。

 いわば“ニンジン”までぶら下げたFIFAの準備は万端だった。計画実行のアドバイザーは世界的な金融機関である「JPモルガン」が担当。さらに株価買収の投資グループの主導者は、ドナルド・トランプ米大統領の親戚であるジョシュア・クシュナー氏の運営する投資ファンド「Thrive Eternal」が務めた。

 しかし、計画が世間に広まると、烈火のごとき批判が殺到。30日には、欧州サッカー連盟(UEFA)が加盟55協会の同意によってW杯を含むFIFA主催大会のボイコットを決意。「無責任であり、到底正当化できるものではなく、ワールドカップは売り物ではない。投資家たちがFIFAの主催する大会の所有権を取得した瞬間から、サッカーは永遠に変わってしまう」と猛反発した。これに北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)、アジア・サッカー連盟(AFC)も連帯を示した。

 もっとも、当初のFIFA、ひいてはインファンティーノ会長の姿勢は頑なだった。31日には、「誰も『サッカーを売る』ということはない」と新たな声明を発表。「FFEの役割はFIFAが所有するすべてのマーケティングと組織、スポンサーシップ、放映権、ライセンスの供与、そしてFIFAの211の加盟協会の利益となる新規プロジェクトの推進だ。これまで活用されていなかった商業的価値を引き出すことにある」とあくまで目的は、サッカーの持つ価値の最大化だと訴え続けた。

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