「もう脱ぐしかない」――歴史的な世界戦を前に逸材・吉良大弥が抱えた焦燥感 陣営も告白した“全裸計量”の舞台裏「ガムで落としました。ギリギリでした」
公式計量直前まで自身の体重を格闘していた吉良(C)CoCoKARAnext
「もう脱ぐしかない」
9月2日に横浜BUNTAIで行われるWBA世界ライトフライ級王座決定戦で、同級2位の名手カルロス・カニサレス(ベネズエラ)と対峙する吉良大弥(同級1位/志成)は、決戦を間近に控え、焦燥感に駆られていた。
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2024年6月にプロデビューして以来、4戦無敗(3KO)。しかも唯一の判定決着となった3戦目のジャクソン・サパタ(ベネズエラ)戦は2度のダウンを奪って完勝と言える内容。まさに敵なしで勝ち上がってきた。そして、5戦目となる今戦で戴冠となれば、元世界4階級王者の田中恒成に並ぶ日本男子最短タイ。31日の試合前会見で「体重も順調にいけてます」と語っていた若武者にとって、間違いなくキャリアのターニングポイントともなる重要な一戦だった。
しかし、勝負を前にアクシデントが生じていた。自ら「課題」と位置付けていた過酷な減量がやはり壁となったのだ。
1日の13時に始まる公式計量の約10分前に行われた予備計量で「49.90から49.95キロを行ったり来たり」だったという吉良は、一度控室に向かって唾を出し、体重を極限まで絞り、最後は下着を脱いだ。まさに捨て身で公式計量の体重計に乗った23歳は、なんとかリミットに到達した。
最終的な水抜きで落とした体重は約4.5キロ。減量の辛さは想像に難くないが、計量時の舞台裏では、陣営も肝を冷やしていたという。佐々木修平会長は「これをやらないことには試合は成立しない。(計量失敗は)負けるより酷いんで」と吐露。本人にガムを噛ませて対応する瀬戸際の対応を明かした。
「唾出ましたね……。きつかったですけど。もう一回、風呂に入るのは不可能だったので、ガムで落としました。それぐらいギリギリでした。まずは体重が作れたのは良かったです」
他でもない吉良本人も安堵する。計量後のカニサレスとのフェイスオフも「クリアしたのが嬉しすぎて、何も感情がなかった」という23歳は、正直な胸の内を苦笑いを浮かべながら語る。













