「グレイシー一族に恨まれ続けた」元PRIDE戦士のコロナ禍で前進するためのポジティブ対談 『あえてゆっくりすることが大事なときもある』

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「市を切れるか?」「切れません」勝新太郎のオファーを断る

大山)すごいなー。山の話もそうですし、どこか自分を俯瞰しているようなところあるというか? 僕なんか、しがみつくタイプです。しがみついてしまって何も俯瞰ができなくなる(笑)

吉田)しがみつかずに間口を広げれば拾えるものが大きくなりますよね。それは俯瞰できているから余裕があるのかもしれません。

大山)僕はアスリートのセカンドキャリアの支援もしているんですが、「自分にはこれしかない」と思う人ほど自滅しているようにも感じますね。

吉田)最近やらせていただていた仕事で、岸谷五朗さんが主演の『天』という雀士のドラマがあるんですが、その中で僕は赤木しげるというカリスマ雀士を演じさせていただきました。この赤木がまさに物事を俯瞰している人物と言いますか、 彼の言うことなすこと全部わかるんですよね。

はじめは「俺は麻雀もやらないし、マンガの原作も見たことないし、なんでこんな役が来たの?」といった感じでした。
でも演じてみると全部、わかるんです。全てに勝つわけでなくトータルで勝つみたいな生き様に共感するというんでしょうか。

大山)役の話で言うと勝新太郎さんのオファーを断った話もすごいですよね。あれは座頭市を切る役でしたよね。

吉田)あの時は、勝さんから「座頭市の最終章を作りたいんだけど、ここで市を終わらせたい、お前に市が切れるか?」と言われたんですね。その時、僕は「切れません」とお断りさせていただいたんです。

大山)いやー、でも普通は「おいしいっ!」って飛びついちゃいますよね。なんでお断りしたんですか?

吉田)それに見合う俳優が切るのならいいと思うんですけど、当時の二十いくつの人気だけでそこにいる僕が勝新太郎さんの分身である「市」を切ってはいけないと思ったんです。

大山)いやー、まさに自分を俯瞰できているから判断できることですよね。すごい。なんか、職人のように見えてきました。

人生は起承転結のある旅

吉田)ありがとうございます。ただ、22歳までの僕に足りないものはまさにその職人のような技術や準備だったんです。
それに気づくことができたおかげで、今では「仕込みが8割。それがあるから自由にやれる。7~8割は準備しておいて間違いはない」、そう思えるようになりました。
舞台も映像もライブも結局はこそですよ。人以上に見せようと思ったら、自分が納得がいくまでのものをやろうと思ったら、それに耐えうる体力をつけておかないといけない。体を鍛えるのもその一つです。

大山)いやーすごい! ありがとうございます。今日もいいお話が聞けました。最後に栄作さんのこれからのビジョンをお聞きしてもいいですか?

吉田)僕が50歳で作った事務所がDHUTAというんですが、これは旅人が持っているズタ袋の「頭陀(ずだ)」の語源なんですね。
人生は旅である。ずっと続いていく。いただいている対価に感謝。
ということからのDHUTAなんです。旅はまだまだ続いていくぞと。
で、僕の今は人生の第三章を旅している。起承転結の「転」だと考えているんです。それを65歳くらいまでにまとめて、結に向かおうと。
先日、偉大な田中邦衛さんが88歳でお亡くなりになりましたが、まさに職人ですよね。ああいう人生の全うの仕方、「結」を迎えたいなと思っています。

大山)そのための区切りとしての30周年コンサートツアーでもあるんでしょうか?

吉田)そうですね。1年伸ばした今も、50%のお客さんになるかもしれないけれど、とにかくこれをやって、次へ進もう。そう思っています。
先程も話したように『One Fine Day』のような歌が生まれてくる事はギフトだと思っています。コロナの緊急事態宣言がなければ出会っていない曲、本当に素晴らしい曲なので、それはそれでコロナが悪いばかりのことではないのかなと思っています。

今もまだ、コロナが終息していませんが、一度人々が、それこそ世界中の人々が立ち止まって考えることのできる時期でもあると考えています。それこそギフトだと。
この状況をさらに俯瞰して言うならば、今地球自体が病気にかかっている状況でもあると思うんです。コロナに限らず、水質汚染もそうだし、大気汚染もそうだし、人類というものがどんどん、どんどん母なる地球(ほし)を病気にさせている。これは反省すべきことでもあるのかなと思います。

そんな状況に私たちがまずできること。それは隣の人に優しくすることなんじゃないのかなと思っています。この野郎なんて言っていたらまずできません。
だからこそ一度立ち止まって自分を振り返ってみることも大事なんじゃないでしょうか?

どうしてもそんなふうになれない、心が落ち着かないといった時には、山か海に行く。
自然に触れることは、人間にある邪気みたいものを洗ってくれる、本当にいい行為です。
森林浴をする、滝を見る。波を見る。まさに母の愛そのものですね。





※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文:『ビジネスエリートがやっている ファイトネス』公式note]

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大山峻護(おおやま・しゅんご)

5歳で柔道を始め、全日本学生体重別選手権準優勝、世界学生選手権出場、全日本実業団個人選手権優勝という実績を持つ。2001年、プロの総合格闘家としてデビュー。同年、PRIDEに、2004年にはK-1・HERO‘Sにも参戦。2012年ロードFC初代ミドル級王座獲得。現在は、企業や学校を訪問し、トレーニング指導や講演活動を行なっている。著書に「科学的に証明された心が強くなる ストレッチ」(アスコム)。ビジネスマンのメンタルタフネスを高めていくための本「ビジネスエリートがやっているファイトネス~体と心を一気に整える方法~」(あさ出版)を出版。

大山峻護さんInstagram
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ファイトネス
http://shungooyama.spo-sta.com/

「科学的に証明された 心が強くなる ストレッチ」
「ビジネスエリートがやっているファイトネス~体と心を一気に整える方法~」

吉田栄作(よしだ・えいさく)

1969年1月3日生まれ
血液型 A型
出身 神奈川県
身長 182cm

オフィシャルサイト
https://www.dhuta.net/eisaku_yoshida
Eisaku Yoshida Official Channel

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