「また絶対チャンスは来るから」――スタメン落ちのドラ1を支えた名コーチとの二人三脚 苦境の度会隆輝を変えた舞台裏【DeNA】
とにかく愚直に己に矢印を向け続け、進化を続けた度会。その努力が今実を結び始めている(C)萩原孝弘
苦しい時期を支えた先輩コーチの寄り添い
プロ生活の3年目も終盤を迎えたドラ1がいま、チームの切り込み隊長として鮮烈な輝きを放っている。度会隆輝はシーズン中盤に経験したスタメン落ちという苦しい期間を突き抜け、現在は不動のスタメンとして打線を牽引している。
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ついに本格開花したかに映る活躍の裏には、先発として試合に出られない日々の中で、温かくも厳しい視線で導いたコーチの存在と、度会自身の努力があった。
今年も列島を猛暑が襲った7月、チームの戦術的兼ね合いや守備陣のバランス、好調を維持した勝又温史の台頭もあり、度会はスタメンから外れ、途中出場が増えていた。結果として同月の月間打率は打率.217。しかもスタメン出場は3試合と限定された。
しかし、代打では打率.455、OPS1.409とインパクト十分なパフォーマンスを見せていた。ベンチに身を置く時間が長くなっても、度会は1打席で目に見える結果を残し続けたのだ。
横浜高校の後輩を根気強く指導し続ける鈴木尚典打撃戦術育成コーチは、自身が寄り添っていた当時のやり取りを振り返る。
「また絶対チャンスは来るからって。そのチャンスが来た時のためにやろうと話をしました。毎日やってましたよ」
代打起用の際、度会は卓越した打撃センスを発揮した。しかし、鈴木コーチが見据えていたのは、代打屋としての成功ではない。チームの将来を背負うレギュラーとして毎日グラウンドに立ち続ける姿だった。
「彼は1打席に集中したら、代打としての適性も持ってる。でも、それは10何年後の話。今はやっぱりレギュラーとして、毎日試合に出られる選手にならなきゃいけない。じゃあレギュラーになった時、代打と同じような集中力を持って毎打席できるかというのが課題だった。そういう意味では少し成長ができているかなと思います」
「1打席集中」という勝負所での結果が求められる代打特有の極限の緊張感を、いかにして毎試合、毎打席再現できるか。この課題と向き合う時間こそが、度会にとってスタメンから外れていた時期の「収穫」となった。













