データをどう活かすべきか? 「量より質」だけでは極められない守備の真髄 ハマの職人が語る“効率のいい練習”「自分で考えないと野球脳は上がらない」【DeNA】
藤田コーチの“定義”は野球のあらゆる面で活かされているという(C)萩原孝弘
データを超えた「直感」と「野球脳」
また、外野を主戦場とする度会隆輝は、内野で守備練習をこなす。そのワケも藤田コーチが説いている“定義”に則っている。
「バッティングを活かすための下半身強化も兼ねているよと言い聞かせてます。守備だけではなくバッティングに繋がるとわかったらやるんです。バッティングが好きだから。下半身が強くなれば一年間戦える体力も付く。一石四鳥くらいの効果ですよ」
近年のDeNAは、状況に応じて大胆なシフトを敷くケースも少なくない。その判断が功を奏す場面は散見される。しかし、藤田コーチは策が成功する理由が「シフト通りだけじゃない」と力説する。
「この前(8月4日の阪神戦)の京田のファインプレーは、それまで三遊間に寄ってたんです。でも、あの球だけ2本ぐらいセカンドに寄ったんです。それは直感。守備シフト通り守っていたら、それが養われないんです。シフトの中でも自分で考えていかないと野球脳が上がっていかない」
当の京田自身も「バッテリーの兼ね合いで配球とかも色々見ながら守ってる中で、いいところに来た」と語るように、球団が豊富に持つデータと個人の思考、あるいは感覚が高度に融合したからこそのプレーと分析した。
「データ通り全部やってたら勘は養われない。指示待ちになっちゃう。指示待ちの選手は打席でも考えられなくなる。データをどうやって活かすかっていうのを考えないとダメ」
野球はすべてのプレーがひとつに繋がっている。守備での思考力と粘り強さは、必ず打席での一球に対する執着心に昇華される。
僅差のゲームを守り切り、マウンド上で歓喜の輪を作る選手たち。その一瞬の輝きの裏には、流した汗の量が比例している。
藤田コーチが提示する妥協なき道標。そして、その道を辿ってグラウンドに泥まみれで食らいつく選手たちの執念。チームで伝染する“ハマの牛若丸イズム”は、伝統的に豪快な野球を求められるDeNAにとっては、今後の飛躍に向けて必要不可欠なポイントとなる。
[取材・文/萩原孝弘]
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