8日間で終わった1軍で見た「プロの壁」 ドラ1の意識を変えた元首位打者の“言葉”「やっぱり振る力が足りない。この世界では通用しない」【DeNA】
1軍で理想的な形で結果を出せなかった小田。しかし、首脳陣には課題がしっかりと見えていた(C)萩原孝弘
非凡なミートセンスが活かせずに、力負けを繰り返した日々
昨秋のドラフトで1位指名を受け、DeNAベイスターズに入団した小田康一郎。春先こそ、いわゆるプロの壁にぶつかっていた若武者だが、ファームで研鑽を積んだ結果、交流戦の真っただ中であった6月7日に1軍へと昇格した。
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待望のステップアップだったが、期間はわずか8日間。しかも、残せた打率は.000(7打数0安打)。スモールサンプルながらアピールとはいかずに登録抹消となった。ただ、苦闘の舞台裏では小田の「振る力」に着目した首脳陣から“1軍の壁”を越えるための具体的なビジョンが示されていた。
「バットに当てる能力は高いです。けれども強く振れない分、優しく前に出ちゃうっていうことが結構ありました。それじゃあ、ちょっとプロの選手のボールは打ち返せない」
2軍監督を務める村田修一がそう振り返るように、入団当初、小田のセールスポイントは非凡なミートセンスにあった。しかし、プロの猛者たちが繰り出すスピードボールを前にすると力負けしてしまうシーンが散見。思うように活かせない日々が続いた。
そんな小田の転機となったのは、5月初旬のこと。1997年と98年にセ・リーグ首位打者に輝いた名スラッガーの鈴木尚典2軍打撃コーチとともに動き出したのである。
「コンタクト能力は持っているんですけれども、振る力が足りない。もうちょっと強い打球、強いスイング目指していかないと、やっぱりこの世界では通用しないよ」
鈴木コーチは端的に課題を本人へと突きつけた。「そこからはそれをすごく意識した」という小田は、同じ左バッターとして輝きを放っていたコーチとともに、過酷なメニューをこなす日々が始めた。
「筋トレもしていますけど、シンプルに打つ量を増やしています。本人も重いマスコットバットを自分で用意して、ひたすら振り込んでいますよ。明らかに入ってきた時よりは目の色を変えてやってます」
鈴木コーチが目を見張るほど、壁にぶつかったルーキーは、とにかく泥臭くバットを振り続けた。
村田監督の言う「体幹を使って筋肉で飛ばすみたいなイメージ」の再現を目指した努力の結果は、6月4日に2軍戦ながらプロ初ホームランを放つなど、短期間で如実に表れ始めた。
「最近はだいぶハードヒットが増えてきてるんで。スイングスピードと打球速度が自然とついてきて、長打もでるし、フェンスも越えられる。早いカウントで狙った球を“コン”と打てるようになってきている」
指揮官もそう目を細めるほど、小田の打撃は劇的な良化を遂げた。












