8日間で終わった1軍で見た「プロの壁」 ドラ1の意識を変えた元首位打者の“言葉”「やっぱり振る力が足りない。この世界では通用しない」【DeNA】
短期間で終わった1軍生活。しかし、背番号3は腐っていなかった(C)萩原孝弘
村田2軍監督が絶賛する「野球センス」
フィジカル的な成長に、元来持っていた天才的なセンスが掛け合わされば、まさに鬼に金棒である。村田監督は、ファームで8盗塁を成功させている走力を含めた“野球センス”に驚きを隠さない。
「野球センスは抜群にあるんです。最初は盗塁できないと思っていたのですが、できますからね。スタートの上手さだったり、走塁する姿だったりも“野球勘”に溢れてるんですよ。いや、面白い選手だなと思いますね」
指揮官の驚きは守備にも及ぶ。大学時代は主にファーストを任されていた小田だが、「無難にセカンドもこなせます。普通に守りの面でも違和感がない」と村田監督が舌を巻くほどの器用さを見せている。
当然、高い守備スキルの根底にあるのも、やはり小田の持つ卓越したセンスである。
「本当に野球勘があるから。『こうなったら、こう』とか、『こいつこっちに飛んできそうだな』とか、『こいつ牽制こなさそうだな』っていうのがなんとなくわかるらしいですよ。やっぱりあいつすごいなと思いますね」
もっとも、昇格した1軍では「H(ヒット)」のランプを灯すことはできなかった。しかし、檜舞台で得た経験は極めて貴重な財産となった。鈴木コーチは、当時の様子と現在地を、こう分析する。
「今回、1軍上がって結果は出なかったですけど、正直、まだ取り組みの途中の段階でしたから。でも(1軍に)行っていい経験して、すごい勉強してきたんで」
一線級のパ・リーグのピッチャーの球速とキレを肌で感じたことは、必ずプラスになると力説する鈴木コーチは、その上で課題を付け加えてもいる。
「ファームだと甘い球が何球も来るし、球速もやっぱり1軍よりは落ちる。向こうでレギュラーを取るためには、150キロ以上の真っすぐをしっかり捉え切れないといけない」
さらに鈴木コーチは「彼らでもミスショットはします。ただストレートを1球で仕留める確率が高いんですよ」と、チームの1軍でレギュラーを張り続ける宮﨑敏郎、筒香嘉智、佐野恵太、牧秀悟らの名前を挙げ、2軍の違い、そして一流の打者たちの凄みを説いている。
「ピッチャーの球も速くなってきている今、なおさらストレートに強いバッターにならないと、1軍のレギュラーにはなれないから」
主力たちを追いやるために、やるべきことは明確だ。
「次に上がる時は、もう一軍のレギュラー取るぐらいのレベルにしよう」
二人三脚で歩んできた鈴木コーチとそう誓い合う背番号3。抜群の野球センスに甘んじず、目の色を変えてバットを振り続ける努力を武器に、一歩ずつ1軍へ駒を進めている。
[取材・文/萩原孝弘]
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