「俺もこの1点で喜んでる場合じゃない」劇的初ゴールも満足なし 塩貝健人が貫く“野心家の流儀”「僕はライバルだと思っている」
そして90+1分、勝利を引き寄せる2点目をついに叩き出した。伊東の右からのパスを受けた塩貝はシンプルに上田にはたいて前に走り込み、スルーパスを受けて右足を一閃。「この1点で黙らせたい」という意味を込めて、右手人差し指を口元に当てたポーズを披露。長い長いVAR判定の末にゴールと認められ、心からの安堵感を覚えたはずだ。
「所属クラブでも点が取れていなくて、代表でもすごい期待してもらってW杯に行ったのに、自分の実力が足りなくて出れなくて、納得してなかったし。この1点はすごく自分にとって大きかったですけど、まだまだ上を目指さなきゃいけない。僕はライバルだと思っているんですけど、上田綺世選手が3点目を決めて、なんか涼しい表情をしていたんで、『俺もこの1点で喜んでる場合じゃないな』と。もっともっとうまくなって、もっと点を取れるようになりたいなと思います」
そういう野心を口に出す若者は今の時代、かなり珍しい。そういう意味でも塩貝は見所がある人材だ。代表1年目でこれだけの天国と地獄を味わった人間もそうそういない。ここから一気に突き抜けてくれれば理想的だ。
[文:元川悦子]
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