吉良大弥、破顔一笑の衝撃KO 敗れた元世界王者が「気づいた時には倒れていた」と証言した“戦慄のワンパン” 日本最速の世界王座獲得の舞台裏「自分の思い通り」
実際、手応えは十分だった。試合後の会見に傷一つない綺麗な顔つきで臨んだ吉良は「(KOのパンチについて)やっぱりスローに見えるもんなんですね」と告白。「気づいた時には私は倒れていて、記憶がなくなってました」と漏らした名手カニサレスを打ち砕いた瞬間の“感触”も打ち明けている。
「序盤でも行けると思いましたけど、ちょっと怖かったんで、判定狙いでもいいかなとも思っていた。ただ中盤に倒したいっていう気持ちもあった。6ラウンドが終わった時ぐらいに、自分の疲れと相手の疲れを感じて、『ここ勝負やな』と。そこで相手が詰めてきたとこを、自分も詰め返したタイミングで、フックがドンピシャに当たったという感じですね。結構、自分の思い通りというか、調子いい時のスパーリングみたいな感覚でした」
水抜き4.5キロという過酷な減量を乗り越えて迎えた一戦だった。直前にガムを噛んで唾を吐き出し、なんとかリミットちょうどで終えた公式計量後には「やっぱり自分が一番強いとは思う。自分に勝ったら、もう明日はやってきた過程を出すだけ」と漏らしていた。そこから中1日で6キロのリカバリーをした肉体は仕上がっていた。ゆえに相当な自信があったのは想像に難くない。
階級は違うが、“モンスター”の異名で恐れられる井上尚弥(大橋)を彷彿とさせる当て勘の良さを披露し、堂々たる戴冠劇で世界にインパクトを与えた。ただ、元世界4階級制覇王者で、ジムの先輩である井岡一翔を「越えていかないといけない」と語る吉良にとっては、まだまだスタートラインに立ったにすぎない。
先を見据えて「ボクシングが好きな人たちの娯楽の一部になりたい」というホープの飛躍に興味は尽きない。
[取材/文:羽澄凜太郎]
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